投資に関係のある資格には、日商簿記検定、ファイナンシャルプランナー、ビジネス会計検定、中小企業診断士、証券アナリストなどがあります。
中には、あまり役に立たない資格や、難易度が高くておすすめできない資格もあります。
そこで、各資格の特徴や個人投資家におすすめしたい資格について紹介したいと思います♪
株式投資におすすめの役立つ資格
それでは、さっそく個人投資家におすすめしたい資格から紹介します。
日商簿記検定:決算書を作る知識が学べる
おすすめ度★★★
まずは、年間60万人が受験する資格の「日商簿記検定」です。有名な資格なので、知っている人や、実際に勉強した経験のある人も多いのではないでしょうか。
日商簿記で問われるのは、決算書(損益計算書・貸借対照表)を作成するための知識です。株式投資では、決算書を理解できると有利に投資できます。
日商簿記の級別の特徴は以下の通りです。
- 日商簿記3級:個人商店の決算書が読めるレベル。基本的な決算書作成の知識が問われる
- 日商簿記2級:株式会社の決算書が読めるレベル。高度な決算書を作成する知識が問われる
- 日商簿記1級:上場企業の決算書が読めるレベル。連結会計や外貨建て会計など幅広い知識が問われる
簿記3級は、個人商店などの小規模な会社向けの決算書の作成がメインです。そのため、上場企業の決算書を理解するためには、簿記2級以上の知識が必要です。
ただし、簿記1級となると、ハードルがかなり上がるので簿記2級あたりを目標に勉強するのがおすすめです。
簿記2級は、商業簿記と工業簿記にわかれていて、工業簿記が製造業を、商業簿記は製造業以外の決算を対象としています。
私の場合、小売りやIT企業に投資することが多いので、決算書を読むときに商業簿記で勉強した知識がに役立ちました。反対に工業簿記は、製造業の原価を計算する問題が中心なので、株式投資の勉強にはそこまでならない印象でした。
株式投資が目的であれば、簿記3級→簿記2級の商業簿記→余力があれば2級の工業簿記を勉強する流れがおすすめです。
日商簿記3級のテキスト&問題集↓
日商簿記2級「商業簿記」のテキスト&問題集↓
日商簿記2級「工業簿記」のテキスト&問題集↓
ビジネス会計検定:決算書を読む力がつく
出典:ビジネス会計検定試験 | あらゆるビジネスパーソンの仕事に活きる!
おすすめ度★★★
日商簿記検定が、決算書を作るための知識を問う資格であるのに対し、ビジネス会計検定は決算書を読むための知識を問う資格という立ち位置です。
ビジネス会計の級別の出題範囲は、以下の通りです。
- ビジネス会計3級:会計の用語や財務諸表を理解するための基本的な知識を身につける
- ビジネス会計2級:企業の経営戦略や事業戦略を理解するための財務分析力を身につける
- ビジネス会計1級:企業の成長性や課題、経営方針・戦略などを理解するため、会計情報を総合的かつ詳細に理解し企業評価する力を身につける
株式投資では、決算書を作る力よりも決算書を読む力のほうが重要です。
とは言え、まず簿記を学び決算書の成り立ちを理解してからビジネス会計の勉強をするほうが、理解度が高まると思います♪
ビジネス会計3級の公式テキスト
ビジネス会計2級の公式テキスト
株式投資にはあまり役立たない資格
つづいて、株式投資にはあまり役立たない資格を紹介します。
ファイナンシャルプランナー:家計のお金に関する知識が学べる
出典:日本FP協会
おすすめ度★
ファイナンシャルプランナーは、人気の資格ではありますが、株式投資ではあまり役立ちません。
というのも、日商簿記やビジネス会計は会社のお金についての知識を問うのに対し、ファイナンシャルプランナーは個人のお金に関する幅広い知識を問うからです。
ファイナンシャルプランナーで問われる知識は以下のようにかなり幅広くなっています。
- ライフプランニングと資産計画:社会保険、公的年金、ローン、カードなど
- リスク管理:保険全般、生命保険、損害保険
- 金融資産運用:預金、債券投資、株式投資、外貨建商品、投資信託など
- タックスプランニング:所得税の仕組み、法人税、消費税など
- 不動産:不動産の所得、取引、譲渡など
- 相続・事業継承:贈与と法律、相続と法律、不動産の相続対策など
個人のお金に関する幅広い知識を身に付けたい人にはおすすめの資格ですが、ひとつひとつの知識が浅くなってしまうので、株式投資だけをしっかりと学びたい人には不向きです。
株式投資に役立つけど難易度が高い資格
さいごに、株式投資で役立つもののの、難易度が高めの資格を紹介します。
中小企業診断士:企業経営について学べる
おすすめ度★★
中小企業診断士は、企業の経営に関する知識を身につけるのに役立つ資格です。
企業の経営課題を診断・助言することができるようになるので、株式投資にも役立てられます。一次試験の科目は以下のとおりです。
- 経済学・経済政策:マクロ経済学とミクロ経済学
- 財務・会計:企業の経営分析に関する知識
- 企業経営理論:経営戦略やマーケティング論
- 運営管理:生産管理や店舗・販売管理
- 経営法務:コンプライアンスや法的リスク回避
- 経営情報システム:社内の情報やネットワークの管理
- 中小企業経営・中小企業政策:中小企業の経営課題を理解して適切なコンサルティングをおこなうための知識
かなり難易度は高めですが、投資家としてのスキルアップのために「経済学・経済政策」、「財務会計」、「企業経営理論」あたりを勉強するのはアリだと思います!
みんなが欲しかった! 中小企業診断士の教科書 (上) :「企業経営理論」「財務・会計」「運営管理」
みんなが欲しかった! 中小企業診断士の教科書 (下) :「経済学・経済政策」「経営情報システム」「経営法務」「中小企業経営・中小企業政策」
証券アナリスト:金融のプロフェッショナルになるための資格
おすすめ度★★
証券アナリストは、金融のプロフェッショナルになるための資格です。金融機関で働く人や、企業のIR担当者が必要な専門知識が学べます。
一次試験の科目は以下のとおりです。
- 証券分析とポートフォリオ・マネジメント
- 財務分析
- コーポレート・ファイナンス
- 市場と経済の分析
- 数量分析と確率・統計
- 職業倫理・行為基準
こちらも株式投資には役立ちますが、難易度は高めです。
個人的には、高度な金融知識を身につけるよりも、決算書がしっかり読める力を養える日商簿記やビジネス会計の知識のほうが投資に役に立つと思います♪
さいごに
独学で勉強すると知識のムラが出やすいですが、資格のテキストで勉強することで網羅的に知識が身につくのは大きなメリットだと思います。
株式投資では、勉強したからといって必ず運用成績が上がるわけではありませんが、知識がプラスに作用することは間違いないと思います。
私自身勉強したことで、決算書の細かい内容まで理解できるようになったことを実感しています。
なお、まったく知識がない人や、株式投資に必要な知識だけを効率良く学習したい人は、まずは「決算書の読み方」に特化した以下のような書籍で勉強することをおすすめします♪