株式投資を始めたいけど、自分で分析出来る自信が無い・そもそも企業分析って何から始めればいいか分からないという悩みはありませんか?
そこで、今回は私が普段行っている企業分析の為の情報収集と、企業分析方法を紹介したいと思いますので、是非参考にしてみて下さい。
企業分析って何から始めれば良いの?
「事業内容が面白そう」「業績が順調に伸びている」などの理由で、興味を惹く会社が見つかったとします。
しかし、いざ分析しようと考えても、いきなり決算短信や企業情報を見ても理解できない部分が多く、中々頭に入ってこないという人も多いのではないでしょうか?
特に、普段自分の生活に関わりが無く、よく知らない業界の分析となると余計に理解しにくいと思います。そこで、企業分析って言われても何から始めていいか分からないという人は以下の流れで分析する事をおすすめします。
1.情報収集をしよう
まずは、様々な角度から徹底的に情報を集めてみる事がおすすめです。
投資家・会社や経営者・社員・顧客と立場が違う視点からの情報を活用して総合的に考える事で、大きな偏りのない、バランスの取れた分析をする準備が出来ます。
投資家目線の情報収集
投資家目線の情報収集をする事で、他の投資家がどのような点に注目してその企業へ投資しているのかが分かります。
- 個人ブログ
- ヤフーファイナンスの掲示板
- アナリストレポート(中小企業では見つからない場合が多い)
個人ブログは、くまなく調べる事で、上手くいけば数字が得意な人の分析、ビジネスモデルや将来性の判断が得意な人の分析など様々な角度の分析情報を得る事が出来ます。
「企業名 ブログ」「企業名 株ブログ」など検索ワードを変えながら、何度か検索をかけてみましょう!
また、Twitterやヤフーファイナンスを遡る(1年程度)事で、どのような層の投資家が投資しているのか(短期目線or長期目線)や、企業の癖(来期予想が強気or保守的・業績修正の時期・抱えるリスク)など実際に投資している人の有益な意見を発見できるかもしれません。
会社・経営者目線の情報収集
会社・経営者目線の情報収集をする事で、その企業がどのような事業をしていて、今後どう成長していきたいと考えているのかが分かります。
- 会社のホームページやIR資料
- 会社の発信するSNSの公式アカウント(Facebook・Twitter・LINEなど)
- 社長のインタビュー記事
会社のIR資料では、まず説明会資料などという名前のスライド資料があれば優先して見る事をオススメします。
説明会資料は、企業が投資家に理解して貰えるよう工夫して作成している事が多いので、企業の業績・ビジネスの強み・今後の成長戦略など会社の情報が分かりやすくまとまっているのです。
▲タイセイ(3359)説明会資料
中には、動画付きで説明している資料がある企業もあります。
▲竹本容器(4248)説明会資料
また、社長の名前や会社名でインターネット検索をかけると、過去の社長や会社のインタビューの記事が見つかる事もあります。この様な記事から、社長の考え方や今後の成長戦略を知る事もできます。
社員目線の情報収集
社員目線の情報収集をする事で、その企業の強み・弱み、社員のモチベーション・新卒採用への力の入れ具合などが分かります。
- 会社HPの新卒採用ページ
- リクナビ・マイナビ・転職サイト
- 転職口コミサイト
新卒採用のページの会社紹介は、学生向けに分かりやすく書いているので、どんな会社か理解しやすいです。また、企業が成長する為には新たな人材を採用し育成していく事も重要なので、どの程度新卒採用に力を入れているかという情報も投資に役立ちます。
さらに、現社員インタビューで実際に働いている人の生の声を知る事で、その会社のイメージがより深まると思います。
しかし、企業が提示する情報はプラスの面しか提示せず、マイナスの部分は中々表に出ないという欠点もあります。
なので、会社のマイナスの部分を知りたい場合は、転職口コミサイト(【転職会議】企業の評判から求人までわかる転職クチコミサイトやVorkersなど)に登録し、そこに掲載されている会社に不満があって退職した元社員の意見などを参考にするという方法もあります。
転職口コミサイトは基本的に会社に不満のある人が書いている為、悪い情報が集まりやすいですが、鵜呑みにし過ぎず参考にする程度に!
顧客目線
顧客目線の情報収集をする事で、その企業の商品やサービスが実際にどの様に役立っているのか・どんな評価を受けているのかなどが分かります。
- 店舗や商品があれば、実際に客として利用してみる
- その会社の商品やサービスの口コミを見る
法人向けの会社では難しいですが、私たち消費者向けに商品やサービスを提供する会社であれば、実際に自分が利用したり、他の利用者の口コミを見る事をオススメします。
2.情報を分類し分析しよう
情報を沢山集める事が出来たら、今度は企業分析に役立ちそうな情報を抜き取り、項目ごとに分類していきます。
情報を項目ごとに分類しよう
先ほど集めた情報の中で役立ちそうな情報を、今度は以下の視点で分類してみて下さい。
分析項目
- 企業の概要は?
- ビジネスモデルは?
- 強みと弱みは?
- 割安性は?:PERやPBR
- 成長性は?:業績の伸びや利益率など
- 安全性は?:自己資本比率やキャッシュフローなど
- 競合する企業
- 今後の成長戦略は?
- 目標株価は?
- 今後、株価が上昇しそうな材料の有無は?
- 配当や優待は?
不足している部分は、自分で新たに調べたり、IRに電話(参考記事:IRに電話をしよう!個人投資家が企業に電話して情報収集する方法とは? )をするなどして補っていきます。
※指標の見方や目標株価の出し方が分からない場合は、「企業分析」カテゴリー - 株式投資の育て方 内の記事を参考にしてみて下さい。
自分の意見を加筆する
情報を分類し終えたら、項目ごとに自分の意見や考えを加筆していきましょう。気付いたことや感じた事などを、どんどん加えていきます。
このような流れで分析する事で、自分だけのオリジナル分析レポートが完成します。
このレポートを元に、分析した会社が自分の投資対象になるかの判断をしましょう!
最後に
上記で紹介したように、『情報収集⇒必要な部分を抜き出し分類⇒不足してる部分を調べる⇒自分の意見を加える』ことで、ゼロの状態からいきなり分析するよりも質の高い分析が出来ると考えています。
中でも、特に私が企業分析をする上で大切にしているのが、情報収集です。
自分ひとりで全て考えようとしてしまうと、どうしても思考に偏りが出てしまったり、苦手な部分が出てしまいます。そこで、分析する前に様々な角度からの意見を取り入れる事で、偏りの無い良い分析ができるのではないでしょうか?