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PERで銘柄を探す注意点!PERが当てにならない株とは?

 

PERで銘柄を探す注意点!PERが当てにならない株とは?

割安感をはかるのに役立つPERですが、PERが当てにならない銘柄も存在します。そこで今回は、PERを使って銘柄を探す際の注意点について解説していきたいと思います!

特別利益・損失があるとPERが当てにならない

まず、特別利益や特別損失が発生した期のPERは当てになりません。

この特別利益や特別損失とは、特別な要因でその期だけで発生するもので、会社の事業とは関係ない損益を指します。

  • 特別利益の例:投資目的で保有していた株式を売却して得た利益、会社の持っていた土地や建物を売却して得た利益など
  • 特別損失の例:投資目的で保有していた株式を売却した際の損失、災害による損失、トラブルが生じた際の損害賠償費用など

PERは、株価÷1株利益で計算されるので、特別利益や特別損失の影響で1株利益の数値が異常値になる期はPERの数値も異常値となってしまうのです。

上記の図にあるように、特別利益が計上されると、その期の当期純利益が増え、当期純利益÷発行済み株式数で計算される1株利益も増えます。その結果、PERの数値も一気に低下してその会社の株が超割安になったように見えます。

しかし、一時的にPERが低下して割安になったように見えても、特別利益がなくなる来期以降に1株利益がもとの水準まで戻れば、PERの数値も戻ります。そのため、PERだけを見て割安だと判断するのは危険です。

反対に、特別損失が計上されると、その期の当期純利益が減り1株利益も減ります。その結果、PERの数値が一気に上がってその会社の株が超割高になったように見えます。しかし、こちらも一時的なもので来期以降、特別損失の計上がなくなればPERはもとの水準に戻るので、PERだけを見て割高だと判断しないようにしましょう。

数値に惑わされないためにも、自動で計算される証券会社などのPERではなく、特別利益や特別損失の影響を差し引いた本来のPERを自分で計算してみることをおすすめします♪

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先行投資中の会社はPERが当てにならない

先行投資を積極的におこなう会社の場合もPERが当てになりません。

企業が成長し続けるためには、設備や人、広告などに投資します。成長のための先行投資をおこなうのですが、実際は投資をおこなってもすぐに売上や利益に直結せず、成果がでる(投資資金を回収する)までには時間がかかります。

一方で、先行投資をおこなうとすぐに減価償却費や、人件費・広告宣伝費などの販売管理費の負担が増えるので、見た目の利益は目減りします。

その結果、1株利益も大きく減りPERが超割高な数値に見えるようになります。このとき、先行投資にかかる費用が大きいほど利益が圧迫されやすく、PERだけを見ると割高に見えてしまうのです。

しかし、利益の少ない状況がずっと続くわけではなく、投資がうまくいって業績が順調に伸びていけば1株利益も大きく増え、PERの数値も急回復します。

このような会社は、将来株価が大きく上昇する可能性も秘めているとも言えます。

そのため、PERが高いという理由だけで割高な株と判断して見切るのではなく、なぜPERが高いのか?や、先行投資費が回収できたらどのくらい利益がでるか?などを考えて判断するのがおすすめです!

 

景気敏感株はPERが当てにならない

景気敏感株の場合も、PERで判断するのは危険です。景気敏感株とは、呼ばれる売上と利益が循環的に拡大と縮小を繰り返す業種で、自動車や鉄鋼、素材・化学などが当てはまります。

PERは、現在の1株利益を基準に何年分でもとが取れるか?を表す指標なので、利益が年によってバラバラの株にはうまく活用することができないのです。

上記のグラフにあるように、景気敏感株が低PERになるのは、利益が多くでる景気が良い時期です。

しかし、景気敏感株の場合は、景気の良い時期の利益を何年も維持できるわけではありません。むしろ、景気敏感株のPERが割安な時期は、景気が良く企業の利益が最高潮になっている時期なので、今後の景気後退で業績が悪化するリスクを抱えているとも考えられます。

逆に、景気敏感株が高PERになるのは、景気が悪い時期です。景気が悪く利益が出なければ、当然PERも割高な数値になります。

このような理由から景気敏感株の場合、どちらかと言えば高PERの時に買ったほうが、景気が良くなった際に株価上昇の恩恵が受けられる可能性が高いとされています。

 

過去の純利益やPERの推移をチェックしよう!

PERだけ見て判断していたら、実は景気敏感株だった、特別利益が出ていただけだった…なんてことにならないためにも、PERや純利益はその期だけを見るのではなく、過去の決算の推移をみることをおすすめします!

過去の決算の純利益や一株利益の推移をチェックすると異常値にも気づきやすくなります!

<マネックス証券の銘柄スカウターより>

過去の決算をひとつずつ見返すのは、骨の折れる作業で、ミスをしてしまうおそれがあるので、マネックス証券の銘柄スカウターのような、過去の決算の数字を自動でグラフ化してくれるツールを活用がおすすめです♪

参考マネックス証券の「銘柄スカウター」の機能や活用方法とは?