株価がどんどん上がっていくのを見ると、思わず飛びついて買いたくなってしまいます。しかし、急騰株への投資はリスクがともないます。
そこで今回は、急騰株を買うべきかの投資判断ポイントについて解説します!
急騰株を買うリスク
急騰株とは、短期間で株価が大きく上昇した銘柄のことを指します。急騰株は、以下のようなリスクがともなうため、注意が必要です。
高値掴みになりやすい
初期段階で買えれば、暴落リスクを抑えながら高いリターンを期待できます。
しかし、投資タイミングが遅くなるほど高値つかみになるリスクが高まります。
※高値掴みとは、本来の価値よりも高い価格で株を購入してしまうこと
すでに評価が織り込まれている可能性がある株を、割高な価格で買うことになるので、その後に株価が下落した場合、含み損を抱える可能性が高くなります。
値動きが激しくなりやすい
短期間で株価が急騰した銘柄は、思惑が外れたり、ネガティブなニュースが出たりすれば、急落する可能性もあります。
加えて、急騰して注目度の高まった銘柄は、信用取引で買い向かう投資家も増えます。信用取引の買いが増えることで、値動きがさらに荒くなる可能性もあります。
冷静な判断ができないと、株価の動きに翻弄されて損をするおそれがあります。
利益確定のタイミングがむずかしい
株価が急騰すると、SNSや掲示板では強気な見解が飛び交い、いつまでも上昇が続くかのような錯覚に陥りやすくなります。
しかし、急騰銘柄は上昇スピードが速い一方で、下落スピードも速いという側面もあります。
さらなる上昇を期待して売却を先延ばしにしていると、その後の急落によってせっかくの利益が減ってしまう、もしくは損失が出てしまう可能性があります。
あっという間に急落したなんてことも…
仕手操作のリスクがある
株価急騰の裏には、悪意のある投資家による「仕手操作」がおこなわれている場合があります。
仕手操作とは、大量の株を買い注文したり、自己売買を繰り返して出来高を多くみせたり、虚偽の情報を拡散したりして、意図的に株価を急騰させ、その後高値で売り抜けることで利益を得る行為です。
このような株に手を出すと、乱高下する株価に翻弄され、あっという間に大きな損失を被ってしまうリスクがあります。
急騰株を買うべきかの判断ポイント
急騰株はリスクを伴うので基本的にはスルーがおすすめです。とはいえ、実際は急騰しているからといって、諦めるのはもったいないケースもあります。
注目されて勢いに乗ると一気に株価が上昇し、想像以上の大相場を形成することもあるからです。
たとえ短期で1.5倍~2倍程度上昇していたとしても、今後5倍10倍になる可能性を秘めているなら買うべきですね。
急騰株には、多くの場合なにか理由があるはずです。(理由もなく上がっている株は、仕手株化しているおそれがあるので買わないほうがいいです。)
そこで、急騰しているから買わないのではなく、急騰理由で判断するのも手です。
急騰株の購入を検討しても良いケース
成長が期待できる材料による急騰
業績にプラスの影響が現れていて、今後も成長が期待できる場合は、株価上昇が続く可能性があります。
将来的な成長が期待できる例
- 決算の進捗率がかなり良い
- 収益性の高い事業が伸びている
- 海外展開に成功しだした
- 新しい市場の開拓に成功した
- 規制緩和など、ビジネスに追い風となるような環境変化があった
さらなる成長が期待できそう…!
投資家評価の変化による急騰
ほかにも、投資家の評価が変わった場合も、株価上昇が続く可能性があります。
投資家の評価が変わる例
- こでまで低評価だった企業が、成長企業として評価され始めた→許容されるPERが高まる
- 赤字企業が黒字転換して回収フェーズに入った
- 大幅な株主還元策を打ち出した→高配当株、優待株として評価されるようになる
急騰しているが注意したいケース
一方で、すぐに業績に結びつかない材料は、短期的な急騰で終わり、その後は下落するリスクが高くなるので、買わないもしくは、株価が落ち着くのを少し待ってから買うほうがおすすめです。
短期的な急騰になりやすい例
- 資本業務提携の発表→調達資金を有効活用できるかはわからない
- 中期経営計画の公表→実際に達成できるかわからない
- 新商品の発売→実際に売れるかはわからない
- 新規事業への参入→実際に成功するかわからない
- 工場の増設→利益回収までに時間がかかる&先行投資負担が重くなる
売上に反映されるのには、まだ時間がかかりそう…
このような銘柄は、監視リストにいれておき、実際に成功し出したのを確認してから買うのも手です。
まとめ
急騰株への投資は、難易度が高い投資です。投資をはじめたばかりの方や、冷静かつ迅速な判断に自信がない場合は、無理に乗っかる必要はありません。
しかし、投資家から注目を集めている銘柄は、その後も勢いに乗って上昇を続ける可能性もあるので、銘柄探しの参考になります。
その場合、上昇の理由が一時的な材料によるものなのか、それとも企業の成長を反映したものなのかを判断する必要があります。
加えて、買う前に決算書や決算説明資料などを参考に、しっかりと業績分析をおこなうことも重要です!