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「見ないと損」有価証券報告書の見方や、分析のポイントを詳しく解説!

「見ないと損」有価証券報告書の見方や、分析のポイントを詳しく解説!

ややこしくて難しいイメージのある有価証券報告書ですが、実は「情報の宝庫」です。

多くの人が参考にしている決算短信では、細かい情報は省略されてしまっています。そこで、有価証券報告書を読む事で、決算短信しか読んでいない投資家よりも有利な情報を得ることが出来るのです。

今回は、有価証券報告書の見方や分析のポイントについて掘り下げていきますので、是非参考にしてみて下さい。

 

決算短信と有価証券報告書の違い

 

まずは、決算短信と有価証券報告書の違いについて説明します。

「決算短信」は、投資家が素早く情報を得られることを目的としています。その為、決算日から45日以内に開示しなければならないルールとなっており、速報性が求めらます。

その一方、「有価証券報告書」は、開示までの期限が決算短信よりも一か月以上長くなるので、内容の詳しさが重視され、決算短信では省略されている部分の情報も詰まっているのです。

会社の詳細な情報を知りたければ、有価証券報告書にも目を通す必要があるのです。

 
【決算短信と有価証券報告書の違い】
  決算短信 有価証券報告書
目的
素早さ
内容の詳しさ
情報量
少ない
多い
正確性
速報(後に訂正もある)
確定
タイミング
決算日から45日以内
決算日から3か月以内

 

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決算短信は「素早さ重視」で、有価証券報告書は「内容の詳しさ重視」! 

 

有価証券報告書の見方とは?

 

有価証券報告書は、金融庁のEDINETで閲覧することが出来ます。

注意点として、四半期ごとに発表されている「四半期報告書・半期報告書」は決算短信の内容と大差ないので、本決算の後に発表される提出書類名が「有価証券報告書」となっているものを閲覧するようにして下さい。

※H30.10.15現在、セキュリティの問題でスマートフォンからでは直接閲覧できませんでした。

EDINET書類検索⇒企業名やファンド名入力⇒書類種別で有価証券報告書にチェック⇒提出期間を全期間にチェック⇒検索で提出書類名が「有価証券報告書」となっているもの

EDINETでの有価証券報告書の見方

参照:EDINET

また、有価証券報告書は各企業のIR情報のページにも掲載されているのですが、ページ数が非常に多いので目次付きで読みやすい「EDINET」の活用がおすすめです。

EDINETの有価証券報告書は目次付きで見やすい

参照:EDINET

有価証券報告書の分析のポイントとは?

 

有価証券報告書は、ページ数が100ページを超えるものもザラにあるので全部をしっかり読もうとすると挫折してしまう恐れがあります。

実際には、決算短信の内容と重複していたり、特別読まなくても問題のない部分もありますので、重要な部分はそれほど多くありません。

そこで、注目すべき項目に要点を絞って効率的に分析する方法を紹介したいと思います。

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有報読むの気が進まない人も、「大事な箇所だけ読めば良い」と思えば気が楽になりますよ♪

 

第1.企業の概況

 

まず第1「企業の概況」では、「従業員数の状況」と「事業の内容」をチェックしましょう。

有価証券報告書 第1.企業の概況

 

従業員数の状況

従業員数の状況では、以下の項目に着目してみて下さい。

  • 従業員数の増減(「主要な経営指標等の推移」に掲載)
  • 従業員の平均年齢
  • 平均勤続年数
  • 平均年間給料
  • 事業の種類別の従業員数

従業員の状況を把握することで、「その会社で働く人はどんな人達なのか?」や、「どの事業に力を入れているか(人員を割いているか)」等を読み取る事ができます。

さらに従業員の状況を把握できると、会社の内部事情も見えてくるのではないでしょうか。

例えば・・・ 

  • 従業員数が毎年大きく増加している⇒従業員数が増えれば必然的に売上も伸びやすい
  • 平均年齢が高い⇒若い人材を積極的に雇用しない会社は成長しにくい
  • 平均勤続年数が低い⇒離職率が高く労働環境に問題があるのかも(例外:「設立年数が浅い会社」や「新規採用した従業員の割合が高い」場合は年数が低くなりやすい)

 

事業の内容

事業の内容では、決算書やHPでは省略されているような具体的な事業の内容が掲載されている事もあります。知らない情報がないかチェックしながら読み進めましょう。

 

第2.事業の状況 

 
続いて第2「事業の状況」では、決算短信では詳細が記載されていない「生産・受注及び販売の状況」と「経営方針及び対処すべき課題」「事業等のリスク」を中心にチェックしましょう。 
 

有価証券報告書 第2.事業の状況

 

生産・受注及び販売の状況
ここでのポイントは、主な売上の相手先が記載されているかどうかです。
売上に対して10%以上を占めている場合は、相手先が開示されていますので、「主要な取引先はどこか?」や「どの程度の割合を占めているのか」を確認しましょう。
また、売上の30~40%以上が特定の企業に依存している場合相手先の経営状況に売上が左右されてしまうので注意が必要です。
 

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売上の割合が、特定の企業に依存し過ぎていないかをチェックしよう!
 
経営方針・対処すべき課題

「目標とする経営指標」では、売上や利益率など会社がどのように成長していくのか?その成長目標について記載されています。

また、会社が「対処すべき課題」に対し、どのような姿勢で課題に向き合っていくのか?に注目して読み進めましょう。

 
事業等のリスク

「事業のリスク」について、決算短信以上に詳細に記載されています。リスクだけでなく、会社がどのようにしてリスクを軽減する工夫をしているのかにも注目です。

この「事業等のリスク」は成長に関わる重要な部分ですので、懸念材料が出た時に素早く対応できるようしっかり読んで理解しておくことをおすすめします。

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第3.設備の状況

 

続いて第3「設備の状況」では、「設備の新設、除去等の計画」で将来の設備計画をチェックしましょう。 

有価証券報告書 第3.設備の状況

まず「主要な設備の状況」から、どこにお金をかけて積極的に投資しているのか?が読み取れます。

そして、重要なのが成長にかかせないのが「設備の新設、除去等の計画」です。将来の設備投資計画から、どの分野に積極的に投資していこうと考えているのか?どの分野を撤退・縮小する考えなのか?などが分かります。

 

※第4項目以降は、決算短信の内容と重複していたり、特別読まなくても問題のない部分もありますので、余力があれば読む程度で良いと考えています。

全てを理解しようとすると膨大な時間がかかってしまうので、要点だけ絞って効率的に読み進める方法をおすすめします。

 

最後に

 

企業分析をするコツは、理解しやすい資料から読むことです。個人的に「決算短信」や「有価証券報告書」をいきなり読んでも、中々頭に入ってきませんでした。

そこで、以下のような「図」や「グラフ」が豊富なものから先に読むと理解し易くなります。

  • 決算説明会資料
  • 決算説明会の動画
  • リサーチ会社のレポート
  • 企業のHP

また、有価証券報告書をしっかり読むと、主要取引先や課題・事業のリスクなど知りたい事の大半がのっています。

そのため、わざわざ企業のIR問い合わせなくても解決してしまう事も多いですので、疑問があったらまず「有価証券報告書」を読む習慣をつけてみてはいかがでしょうか。

関連記事:私の普段行っている「情報収集」や「企業分析」の方法を以下の記事でまとめていますので、是非参考にしてみて下さい。

www.sumire100m.com