米国株投資と聞くと、「日本株でも難しいのに、米国株はもっと難しそう」「わざわざ米国株に投資しなくても良いんじゃない?」というイメージがあるのではないでしょうか。
私も以前はそのような印象でした。しかし、米国株に投資されている方々の意見や、勉強してみると、米国株には日本株にはない魅力があると感じました。
そこで今回は、米国株の魅力や日本株との違いをまとめたので、米国株投資を検討している人は参考にしてみて下さい。
米国株とは?
まずは、簡単に米国株について紹介します。
米国株とは、米国の株式市場に上場する企業を指します。米国には、様々な国籍の企業が上場しているのですが、アメリカ以外の国でも、米国株式市場に上場していれば米国株となります。
米国の株式市場について
米国の株式市場は、ニューヨーク証券取引所とナスダック証券取引所がメインです。また、アメリカ株で主に使われるのは以下の3つの指標です。
- ダウ工業株平均株価(NYダウ):米国を代表する30銘柄の平均株価を指数化
- S&P500:米国企業の中で流動性のある大型株500銘柄の時価総額を指数化
- ナスダック総合:ナスダック市場に上場している全銘柄を指数化。中小企業やベンチャー企業が中心で、中でもITやバイオ系の企業が多い
日本のメディアでは、NYダウを中心に取り上げていますが、NYダウは30銘柄のみで構成されている指数です。
なので、アメリカ経済全体の成長が分かるS&P500の指標にも注目するのがおすすめです。
米国株は右肩上がりを続ける
ダウ平均株価の推移
それでは早速、米国株のチャートを見ていきましょう。
上記のグラフは、1980年~2018年のNYダウの株価の推移です。長期的に見ると、株価は右肩上がりでどこで買っても利益が出ている状態になっています。
もちろん、米国株も様々な金融ショックや戦争に巻き込まれ、短期的には株価が下落しています。しかし、米国株式市場は、一旦は下落しても長期的には右肩上がりの成長を続けているのです。
金融ショックや戦争の例
- 1987年 ブラックマンデー
- 2000年 ITバブル崩壊
- 2003年 イラク戦争
- 2008年 リーマンショック
- 2010年 ギリシャショック など
日経平均株価の推移
今度は、日本株のチャートを見てみましょう。
上記のグラフは、1980年~2018年の日経平均株価の推移です。日経平均は、バブル崩壊後は長い下落相場が続いていました。
そんな中、2013年頃から始まった量的緩和で日銀のETF買いが株価を下支え(株式相場が下落すると日銀にETF買いが入る)等をした結果、株価は上昇しました。
しかし、実態経済の成長による上昇ではないので、今後も上昇し続ける力があるかは疑問です。
実際、日本の景気が良くなっている気がしない・・・
金融ショックからの回復が早い
続いて下記のグラフは、NYダウ(青)と日経平均(赤)を比較したものです。
出典:マネックス証券 米国株資料
上記のグラフの〇で囲ったITバブル崩壊やリーマンショックの部分に注目して下さい。日経平均と比較すると、NYダウの方が金融ショック等が起きても回復も早いのが分かります。
特に、2008年のリーマンショックはアメリカで起きたにも関わらず、日本の方が回復するのに時間がかかっているのです。
アメリカは、金融ショックなどからの回復が早くその後も成長が続いている!
では、米国株が右肩上がりで上昇し続けられる理由は何なのでしょうか?
人口増加が続く国
まず米国の強さの理由のひとつに、人口が年々増加している事が挙げられます。
出典:マネックス証券公式サイト
米国は、先進国で唯一人口が伸び続けている国なのですが、経済成長は、個人の消費によって下支えされるので、人口の増加している国の方が成長に有利です。
一方の日本は、残念ながら人口が減り続けています。また、少子高齢化社会で若者の比率が減り、高齢者の比率ばかり増えていますよね。
人口が伸び続けている米国と、人口が減り高齢者の比率が高まっている日本とでは、個人消費の点からも米国の方が成長しやすい環境が整っているのです。
世界の投資家も人口が増えている国の方に投資したいと考えるのではないでしょうか。
米国は株主資本主義
米国は株主の利益を追求する
次に、米国と日本の会社の「経営方針」の違いに注目してみます。
米国は、「株主資本主義」で株主の利益を追求しています。株主資本に対して高い利益を出しているので、米国には高ROE経営の会社が多いのです。
投資家が投資した資本を、効率的に使ってくれるのは米国企業だとも言えます。
参照:マネックス証券 米国株超初心者セミナー資料
経営方針の違い
経営方針の違いで、株主還元に違いが出ます。
米国の会社は、株主還元に積極的な企業が多いので、高配当・自社株買い・M&Aを積極的に行い株主にどんどん還元してくれます。
一方の日本は、利益をあまり還元せず現金を溜め込む会社が多いです。株主の事よりも、企業の利益を優先しているようにも感じます。
日本人の、貯金好きという国民性が関係しているのかも?
雇用政策の違い
「雇用政策」にも大きな違いがあります。
米国の会社では、時代の変化で新しい技術を取り入れる場合、時間とコストがかからない方法をとります。なので、従業員に再教育するよりも、必要なスキルを持った人材への入れ替えを選択します。
また、採算の取れない部門の人員は減らしたり、業績が景気に左右される会社の場合は、景気に合わせて雇用する人数を縮小・拡大するなど調整をすることで会社を存続させています。
一方の日本は、正社員で入社したら基本的には終身雇用です。正社員で働いていたのに、業績が悪くなったからと言ってすぐに解雇されることは無いですよね。赤字であっても、簡単に社員を減らすことが出来ません。
会社員として働くなら、日本の方が雇用は安定していて良いのですが、投資家としてなら、適切な人員整理をしているアメリカの方が健全で魅力的です。
競争が激しいから成長できる
米国株のS&P500は、年間平均23社(5%弱)の会社が入れ替わっています。会社が不調だとS&P500から外されてしまうので、エリート銘柄が日々、切磋琢磨しながら競い合っているのです。
また、以下のグラフは、日米の時価総額ランキングの変化を表しています。
参照:マネックス証券米国株資料・ヤフーファイナンス
上記のグラフから日本の会社は、時価総額ランキング上位の顔ぶれに変化が少ないのが分かるのではないでしょうか。
一方の米国は、アップルやアマゾン、アルファベット(Google)などのIT企業が、上位にきています。
米国は、10数年前とは大きく変わり、新しい世代が米国市場を引っ張っているのです。アメリカでは、一代で会社を大きくする人が多いので、企業の競争も激しくどんどん世代交代しながら成長しているのが特徴です。
米国株は長期投資向き
値動きが激しい日本株と比べても、米国株はリーマンショックなどの金融危機を乗り越えて、着実に上昇トレンドが継続しています。
そのため、米国株は日本株よりも長期投資が報われやすいです。
事実、1995年から2017年末までの22年間で、上下を繰り返す日経平均は22%程度しか上昇していないのに対し、右肩成長のNYダウは7.2倍にも上昇しているのです。
株式市場の特徴としても、日本株は、トレーダーが利ざやを稼ごうと頻繁に売買するのに対して、米国株は、投資家がコツコツ買い増していくので株価が安定的に上がりやすいそうです。
「値動きの荒い日本株に疲れた」「頻繁に売買せず、ゆっくり長期投資したい」という人におすすめ!
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