銘柄分析は、株式投資をおこなう上で避けては通れない作業です。
しかし、過去数年分の決算書から業績をふりかえり、財務諸表の数字から会社の中身を把握し、さらには同業他社と比較したり…とやることは山ほどあります。
そこで、今回は私が重宝しているマネックス証券の「銘柄スカウター」という無料の分析ツールの機能や特徴を紹介していきたいと思います。
私自身、銘柄スカウターを使う前と後とを比較すると、分析にかかる時間が大幅に減っり、分析の精度も上がりました♪
マネックス証券の銘柄スカウターとは?
「銘柄スカウター」とは、過去の決算などから自動で集計したさまざまな数字を、グラフや表で表示する、銘柄分析のサポートツールです。
高機能でありながら、マネックス証券に口座開設するだけで誰でも無料で使えるようになります♪
- 会社の基本情報がコンパクトにまとまっている
- 過去10期分以上の業績推移をグラフ化
- 四半期ごとの業績推移をグラフ化
- セグメント別の売上・利益推移が分かる
- 業績予想の修正履歴で企業のクセを知れる
- 貸借対照表をグラフ化表示【NEW】
- 米国株や中国株にも対応【NEW】
会社情報がコンパクトにまとまっている
参照:マネックス銘柄スカウター
銘柄スカウターなら、最新の株価・時価総額・PER・PBRなどをまとめてチェックすることができます。
また、「企業情報」では、企業の説明や、展開しているビジネスや商品名、企業のウェブサイトへのリンクがまとまっています。

「どんな企業なのか?」をサクッと把握できて便利♪
決算の状況がひとめで把握できる!
参照:マネックス銘柄スカウター
「決算発表予定」では、進捗状況の良し悪しが「晴れ」「曇り」「雨」で表されているので、業績の調子がパッと見ただけで判断できます。※業績の進捗率や、前年同期までの進捗率との比較などを元にして算出されています。
ちなみに、銘柄スカウターのデータは、1日2回更新(夕方18時頃、夜23時頃)されるので、決算発表のデータも当日すぐに反映されます♪
過去10期分以上の業績推移をグラフ化!
参照:マネックス銘柄スカウター
「業績推移」では、過去10期以上の売上高や利益率などの推移が簡単に分かります。実際、四季報などでも、過去5期分しかふりかえれないので、過去10期分以上の業績のを簡単にチェックできるのは貴重です。
また、タブを切り替えることで、業績・前期比・指数・利益率の4種類のグラフに切り替えられます。さらに、グラフにカーソルを合わせることで、詳しい数値や増益率を確認できます!
四半期ごとの業績をグラフ化
「銘柄スカウター」では、決算書にのっていない「四半期ごとの業績」を自動でグラフ化してくれます!
参照:マネックス銘柄スカウター
上記は、製菓材料・ラッピングの通販サイト「cotta(コッタ)」運営などを行っているcottaの業績推移です。
cottaの場合、クリスマスやバレンタインの時期が含まれるの1Q~2Qに売上が伸びやすいことが分かります。企業の売上の季節変動は、通期業績で見ると分かりませんが、四半期ごとの業績ならば見えてきます。
このような、季節性要因をあらかじめ頭にいれておくことで、決算の予測が立てやすく、季節要因で売上が減っても落ち着いて対応できます。
また、一見好業績にみえる決算でも、四半期でみると業績の伸びが鈍化していた!なんてこともあるので、四半期ごとの決算推移は必見です。
貸借対照表をグラフ化表示【NEW】
貸借対照表からは、企業の持っている資産や借金の割合などを把握できるので、企業の安全性を判断することができます。
以下は、料理レシピ投稿・検索サイト「COOKPAD」を企画運営するクックパッドの貸借対照表をグラフ化したものです。
参照:マネックス銘柄スカウター
貸借対照表をグラフ化したことで、流動資産の大半が現金預金などの換金性の高い資産であることや負債が少ないことから、倒産するリスクが低いことが読み取れます!
決算書では、数字や漢字の羅列でとてもややこしく感じる貸借対照表ですが、グラフ化されたことで、視覚的にチェックできるようになりますね♪
セグメント別の売上・利益が分かる
セグメント別の売上や利益の分析も大切です。どの事業の売上が大きいのかや、利益率の高い事業などを把握できるからです。
以下は、コンビニエンスストアの「セブンイレブン」などを運営するセブン&アイHDのセグメント業績の情報です。
参照:マネックス銘柄スカウター
セブン&アイHDのセグメント構成を見ると、海外コンビニエンスストアは売上40%利益率が3.7%で、国内コンビニエンスストアは売上15%、利益率26%となっています。
売上高自体は海外コンビニエンスストアのほうが大きいものの、利益の構成比では約60%が国内コンビニエンスストアの利益となっています。つまり、国内コンビニエンスストアは、売上比率は低くても利益率の高い重要な事業だとわかります。
複数の事業をおこなう会社の場合は、全体の売上と利益率だけを見ていると、どの事業が成長しているのかや、高収益なのかなどを見落としてしまいます。
そこで、複数の事業をおこなっている場合は、各事業の売上・利益率・構成比などを把握しておくことが大切です!

銘柄スカウターならすべて自動で算出できる♪
業績予想の修正履歴で企業のクセを知れる
「業績予想修正履歴」では、企業の業績予想と通期実績の推移が表示されます。ここでは、企業の業績予想と通期実績とのズレに注目してみて下さい。
会社予想と通期実績とのズレから、企業の出す業績予想の数値が保守的なのか?強気なのか?を把握できます。
以下は、プラスチック容製包装容器を製造販売している竹本容器の業績予想修正履歴です。
参照:マネックス銘柄スカウター 竹本容器
実績より企業予想が下になる傾向があることから、やや保守的な業績予想を出す会社だと分かります。また、3Q~4Qあたりに上方修正を出す傾向があることも読み取れます。
このような過去の企業の修正のクセを見抜くことで、上方修正がでる時期を予測して先回り投資することができます♪
過去のPER・PBR・配当の推移が分かる
「株価指標」では、最長5年間分のPER・PBR・配当利回りの推移がチャート形式で表示されています。これにより、各指標の推移を簡単にチェックできます。
参照:マネックス証券 銘柄スカウター
上記の予想PERのグラフのように、●にカーソルを合わせると、過去の決算・業績予想などのタイトルを見ることができるので、株価が変動した理由をふりかえるのに使えます。
さらに、過去にどの程度までPERやPBR、配当利回りが上昇したか(また下落したか)をチェックすることで、現在の株価の水準が割高・割安の判断材料の1つとして使うことができます。
銘柄比較
銘柄比較では、株価指標やアナリスト評価など、様々な項目を表形式で一覧比較したり、グラフ表示させることで視覚的な比較も簡単にできます。
参照:マネックス証券 銘柄スカウター
グラフで比較できるのは、通期業績・四半期業績・株価指標で、最大6銘柄まで対応しています。同業他社比較が簡単にできるのはありがたいですね♪
米国株と中国株に対応【NEW】
2020年2月22日に、待望の「銘柄スカウター米国株」と「銘柄スカウター中国株」が登場しました。今まで、外国株を分析できる日本語のツールはほとんどなく企業分析が大変に感じていた人も多いと思います。
しかし今回、米国株と中国株が銘柄スカウターに対応したことで、より効率的に企業分析ができるようになりました♪
日本株の銘柄スカウターと同等の機能が搭載されているので、外国株投資をしている人は必見のツールです!
参照:マネックス証券 銘柄スカウター
銘柄スカウターは毎年改良され使いやすくなっている!
ここまで紹介してきたように、マネックス証券の銘柄スカウターには、ファンダメンタル分析に必要な基本的な情報がつめこまれています。
さらに銘柄スカウターは、投資家の意見を参考にしながら続々と新しい機能が追加されています。
10年スクリーニングなど、この記事では紹介しきれなかった機能もまだまだあるので、ぜひご自身で試してお気に入りの機能を見つけてみてください♪
さいごに
私自身、「銘柄スカウター」を使いはじめたことで、ひとつずつ自分で情報を集めて整理する手間がなくなり、銘柄分析にかかる時間が短縮できるようになりました。
そのおかげで、今までよりも多くの銘柄に目を通すことができています♪
マネックス証券の口座開設は無料ですし、ひとりで複数の証券会社の口座を持つこともできます!無料ツールとしての価値はとても高いので、企業分析の負担を減らしたい人は、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか♪
銘柄分析には、GMOクリック証券の財務分析ツールもおすすめです!
こちらは、財務分析に特化した分析ツールです。マネックス証券の「銘柄スカウター」と併用することでより分析力が高まります♪