投資家にとって「現在の株価が高いか安いか」の判断は重要ですね。以前、PERとEPSを使って将来の成長を加味して目標株価を計算する方法は、こちらの記事で紹介しました。
今回は、別の計算方法として、「企業価値から理論株価を求める方法」を紹介したいのですが、企業価値から理論株価を計算するには、『会社の事業価値と財産価値から、有利子負債を引いて…』と自分で計算するとややこしくなってしまう難点があります。
そこで、GMOクリック証券の株価分析ツールを活用して、決算の数字をもとに理論株価を自動計算し、誰でも簡単に理論株価を調べられる方法を紹介します!
「企業の価値」から妥当な株価を考えてみよう!
GMOクリック証券の株価分析ツールの魅力とは?
GMOクリック証券に口座を開設すると、「株価分析」「財務諸表」「経営分析」「シミュレータ」の4種類の分析ツールが使えるようになのですが、今回は「株価分析」を利用します。
出所:GMOクリック証券ウェブサイト
株価分析は、企業価値から見て「現在の株価が割安または割高なのか」を判断するのに役立ちます。ちなみに、企業価値を算出する方法は、買収(M&A)で企業の値段を知るためにも使われる手法のひとつです!
GMOクリック証券の株価分析ツールなら、企業価値がひと目で分かる!
そもそも企業価値ってなに?
そもそも企業価値とは何なのでしょうか?
「企業価値」とは、財産価値(どのくらい資産を持っているのか)と事業価値(これからどのくらい収益を上げられるのか)を合算して計算される企業全体の価値です。
また「株主価値」とは、企業価値のうち株主の所有となる価値を求めたものです。具体的には、先ほどの企業価値から、銀行などからの借金である有利子負債を差し引いたものが「株主価値」となります。
株価分析ツールを活用しよう!
株主価値を確認しよう
企業価値と株主価値を頭に入れたところで、さっそく株価分析ツールを利用してみましょう!今回は、クックパッド(2193)を例に、株価分析ツールの見方を紹介します。
出所:GMOクリック証券ウェブサイト
上記の図を見ると、クックパッドの株主価値は、520億円となっています。株主価値の内訳を確認すると、事業価値が約313億、財産価値が約225億、有利子負債が約18億ということが読み取れます。
- 事業価値(313億)+財産価値(225億)-有利子負債(18億)=株主価値(520億円)
また、「クックパッドは30%割安です」との評価ですが、これは株主価値と、現在の市場価値(時価総額)を比較して算出されています。クックパッドの場合は、株主価値が520億円なのに対し、時価総額が360億円しかないので、企業価値の観点から見ると現在の株価は割安な状態といえるわけです!
- 株主価値 > 時価総額であれば、市場からの評価が低く「割安」な状態
- 株主価値 < 時価総額であれば、市場からの評価が高く「割高」な状態
株主価値と時価総額の推移もひと目で分かる
さらに、株価分析ツールでは「株主価値と時価総額の推移」をひとめで把握することもできます!
出所:GMOクリック証券ウェブサイト
クックパッドの例で見ると、時価総額は右肩下がりに推移しています。一方で、株主価値はやや上がっているようです。※毎年12月に大きく変動しているように見えるのは、株主価値は本決算の数値を反映して年に1回更新されるためです。
株主価値と時価総額の推移を見ると、2017年の1月には、株主価値<時価総額で割高水準でしたが、徐々に時価総額が減っていき現在では、株主価値>時価総額で割安水準になっていることが読み取れます。
実際、自分で過去の決算や時価総額の推移をふりかえって算出するのは、かなり大変なので、このような自動計算ツールを上手に活用するのがおすすめですよ!
株価分析ツールで「理論株価」を確認しよう!
続いて理論株価の計算ですが、理論株価は「株主価値÷発行済み株式数」で算出されるので、先ほどと同じ「クックパッドは30%割安です」という結果になります。
出所:GMOクリック証券ウェブサイト
上記の図を見ると、クックパッドの理論株価は、484円となっています。理論株価の内訳を確認すると、事業価値が292円、財産価値が209円、有利子負債が17円ということが簡単に分かります!
- 事業価値(292円)+財産価値(209円)−有利子負債(17円)=理論株価(484円)
株価分析ツールの使い方は?
株価分析ツールは、「GMOクリック証券の公式サイトへログイン」⇒「株式をクリック」⇒「企業名を入力して検索」⇒「財務分析をクリック」⇒「株価分析をクリック」の手順でクリックすると見ることができます!
出所:GMOクリック証券ウェブサイト
銘柄名を入れるだけで、瞬時に計算される優れものです♪
最後に
ここまで理論株価を自動で計算する方法を紹介してきました。
注意点として、理論株価の計算は、他の計算方法を採用しているものもあり正しい答えがあるわけではありません。しかし私は、GMOクリック証券の株価分析ツールのように「企業価値をもとに理論株価を算出する方法」が分かりやすく納得できるので利用しています。
理論株価は、自分が納得できる計算方法を利用しましょう!
また、いくら理論株価が割安であったとしても株価が必ず上昇するわけではありませんので、あくまでも「企業価値から測るひとつの目安」として投資判断に活かしましょう。
ちなみに、今回紹介した株価分析ツールは、GMOクリック証券に口座開設をしていれば完全無料で使えますので、ぜひ上手に活用してみてください♪