「目標株価ってどうやって計算しているの?」「そもそも株価の高い安いってなに?」という悩みはありませんか。
株価の本来の価値を把握できていないと、少し株価が上がっただけですぐに売却してしまうおそれがあります。しかし、株価がどの程度まで上がるかを予測できれば、あわてて売ることなく目標株価まで保有し続けることができるようになります。
私自身、目標株価を意識した投資するようになったことをきっかけに、株式投資で利益を出せるようになったので、今回は目標株価の計算方法を紹介したいと思います♪
株価はPERとEPSのかけ算で計算される!
株価はPER(株価収益率)とEPS(一株利益)のかけ算で求められます。そのため、PERやEPSの数値が変化することで、株価も動きます。
例えば、PER15倍・EPS100円の企業があったとします。この企業の株価は、PER15倍×EPS100円=1500円ですね。
その後、時間の経過とともにPER20倍・EPS150円に変化すると、株価は3000円に上がります。
このように、株価が上がる場合には、PERとEPSのどちらか、もしくは両方の数値が上がっているはずです。
言い換えると、株価が上がるためにはPERとEPSの数値が高まることが条件となるのです。
つまり、PERとEPSが将来的にどのくらい上がるかを予想できれば、将来の目標株価を見積もることもできます。
目標株価を計算方法
それでは、PERとEPSが将来的にどのくらい上がるかを予想する方法を説明していきます。
将来の予想PERを見積もる
まず、PERは「 一株当たりの利益に対し、株価が何倍にまで買われているか?」を表す指標です。
PERは、簡単に言うと会社の将来性や成長率に対する投資家の期待感や人気度によって動きます。
例えば、上方修正が発表されると今後の成長を期待される、優待新設や配当の増配などで将来への期待や注目度が高まると、PERも高く評価されやすくなります。
反対に、下方修正や優待廃止や配当の減配など、企業の先行き不安が懸念される場合には、PERが低く評価されやすくなります。
将来の予想PERがどの程度まで評価されるかは、会社の成長率や将来性、業種などから判断する必要があります。
将来の予想EPSを見積もる
続いて、EPSは1株あたりの当期純利益です。EPSは、「企業の1年間の活動で得た利益」を「発行済み株式数」で割ることで計算できます。
EPSは企業の利益額によって変わり、企業の業績が上がり利益が増えればEPSも高まり、業績の悪化で利益が減ればEPSも低下します。
将来の予想EPSを予測するには、企業の利益が将来的にどの程度まで増えるか?を見積もる必要があります。
企業の掲げる中期経営計画や、決算説明資料、事業環境などをもとに、数年後の利益がどの程度になるかを予想してみましょう。
目標株価を計算してみよう!
上記をふまえて、将来の予想PERと予想EPSから目標株価を計算してみます。
<A社の目標株価は?>
- PER:10倍
- EPS:100円
- 成長率:年10%
現在のA社の株価は、PER10倍×EPS100円=1000円です。
それでは、まず将来の予想PERを考えてみます。
市場平均のPER15倍を基準とすると、PER10倍の水準は割安。さらに、毎年10%成長が期待できるなら、PER15倍×1.1(1年目)×1.1(2年目)×1.1(3年目)≒PER20倍までPERが上がっても良いはず。と見積もります。
※成長率から適正PERを求める方法は、PERで企業の割安度をはかる方法とはの記事で詳しく解説しています。
続いて、予想EPSを考えてみます。
毎年10%ずつ利益の利益成長が続くと仮定すると、EPS100円×1.1(1年目)×1.1(2年目)×1.1(3年目)≒130円で、3年後のEPSは130円程度になると見積もります。
予想したPERとEPSを使って目標株価を計算すると、PER20倍×EPS130円=2600円です。よって、現在の株価1000円に対する3年後の目標株価は2600円となります。
このように、PERとEPSがどのように変化するかを見積もることで、将来の目標株価を簡単に計算できます。
ちなみに今回は3年後の目標株価を予測しましたが、一般的に株価は業績より先行する性質があるため、人気や期待が高まればもっと早く株価に反映されることも十分ありえます♪
目標株価を目安にした投資方法とは?
目標株価を算出できるようになったら、以下のような手順で目標株価を活用した投資をしてみましょう!
- 予想PERと予想EPSを見積もり、目標株価を計算する
- 「目標株価」と「現在の株価」を比較する
- 目標株価に対して現在の株価が割安なら、株を買う(割高なら見送る)
- 目標株価に近付くまで保有し、目標価格付近で売却する
目標株価に対して、現在の株価が安ければ安いほど割安です。差が大きいほど、目標株価へ到達した際のリターンも大きくなります。
一方で、いくら魅力的な会社であっても、目標株価以上の株価になっている割高な会社は買わないよう気を付けましょう。
さいごに
目標株価は、予測する人によって差がでます。将来の成長性の予測というのは明確な答えがあるわけではないからです。
そのため「今の株価が高いと判断する人は、売り」「今後の成長を加味するとまだまだ安いと判断する人は買い」というように判断が分かれます。
目標株価を正確に予測をすることは簡単ではありません。しかし、それでも株価や他の投資家に惑わされないためには、自分なりの見解を持つことが大切です。
自分の見解を持つことで、株価が少し上がってすぐ手放すのを防げますし、予想以上に上がった場合にも「今の値段で買えるか?」「そろそろ売却すべきではないか?」など冷静に判断することができると思います。