今回は、「立会外分売に参加するメリット」や、「成功率が高い立会外分売の条件」などについて紹介します。
立会外分売とは
立会外分売とは、取引時間外(立会外)に大株主などの大量の売り注文を、多くの投資家へ割引価格で分売する方法です。
取引時間内に大量の株を一気に売却しようとすると、買い注文と売り注文のバランスが崩れ、株価が大きく動いてしまうリスクがあります。
そのため、大量の株を一度に売却する場合、市場内での取引ではなく、市場外で証券会社が仲介して大株主から複数の投資家へ株を分売することで、スムーズに取引をおこなっているのです。
立会外分売では、ディスカウント価格で株を購入できるので、参加する投資家にもメリットがあります。
立会外分売で株を買うメリット
それでは、立会外分売で株を買うメリットについて見ていきましょう。
ディスカウント価格で株が買える
立会外分売の一番のメリットは、ディスカウント価格で株が買えることです。
ディスカウント率は銘柄によって異なり、分売実施前営業日の終値からおおむね2%~5%程度割引された価格で購入できることが多いです。
さらに、立会外分売では、株の購入手数料が無料です。
短期で利益を得られるチャンスがある
立会外分売銘柄は「手数料無料」&「ディスカウント価格」で買えるので、買ったその日に売ることで利益が出しやすい仕組みとなっています。
※申込期間は証券会社によって異なり、上記はSBI証券の場合です。
分売価格で購入し分売終値で売却した場合、2019年は106銘柄中84銘柄(全体の74%が上昇)が含み益となっています。参照:分売実施銘柄一覧 SBI証券
勝率は高めですが、銘柄によっては損をしてしまうこともあります。
しかし、すべての立会外分売に参加するのではなく、条件が良い分売にしぼって参加することで勝率を高めることができます。
成功率が高い立会外分売の条件とは
では、成功率が高い立会外分売の条件を具体的に紹介します。
ディスカウント率が高い&分売枚数が少ない
ディスカウント率が高ければ、寄り付き後に下がっても利益がでる可能性が残ります。
また、分売枚数が少なければ、寄り付き後の売り圧力も小さくなります。
地合いが良い
株価は、地合いに大きく左右されるので、当日の地合いも重要です。
日経平均先物や、米国のNYダウやNASDAQの値動き、為替などから、地合いの良し悪しを判断して参加するか決めるのも手です。
人気の高い銘柄である
業績が好調、配当や優待が充実しているなど、立会外分売で買った投資家が売らずに保有し続けたいと思うような銘柄は、需給が崩れにくいです。
立会外分売の目的がポジティブ
株主数の増加や流動性を増やすことが目的
立会外分売をおこない特定の大株主ひとりが持っていた株を、多くの投資家に分売することで、株主数を増やしたり、流動性を高めることにつながります。
大株主ひとりが大量に株を持っている場合、市場に流通する株式数が少なくなり、投資家が買いたいときに買って、売りたいときに売ることがむずしくなります。
すると、資金量の大きい機関投資家などに敬遠されてしまうので、業績の良い企業でも株価が上昇しにくくなってしまいます。また、流動性が低いと株価の値動きが激しくなりやすいなどデメリットも生じてします。
このような背景から、立会外分売の目的が、株主数の増加や株の流動性を高めたいといった理由は、ポジティブに評価されます。
大株主の利益確定が目的
反対に、立会外分売の目的が見えてこないような場合は、投資家からも警戒されます。
目的なく、大株主である社長などが自社の持ち株を大量に売却する場合、「自社の将来性が望めないから早めに株を売ってしまおう」と考えているケースもあるので注意が必要です。
立会外分売で株を買うときは、赤字企業や経営に悪影響のある問題をかかえているなどの問題がないかを、ざっと確認しておくのがおすすめです。
立会外分売の当選率を上げる方法
立会外分売は、分売される枚数が限られていますので、人気銘柄は競争率も高くなります。
そのため当選率を上げるためには、複数の証券会社から申し込むことがおすすめです。
1社から申し込むよりも、複数社から申し込んだほうが、当選確率や当選枚数をUPさせることができます。
立会外分売を実施している証券会社の例
参考までに、立会外分売を実施している証券会社の例です。
証券会社名 | 抽選方法 | 締切時間 |
マネックス証券 | 1人1票の平等抽選 | 当日8:20まで |
松井証券 | 1人1票の平等抽選 | 当日8:30まで |
SBI証券 | 抽選 | 当日8:20まで |
楽天証券 | 抽選 | 当日8:20まで |
マネックス証券と松井証券のように1人1票の平等抽選は、当選確率が資金量に左右されないので、資金量の少ない人にもチャンスがあります。
ちなみに、立会外分売で買った株も売却手数料はかかります。そのため、取引手数料が安い証券会社を使うのも手です。
証券会社の手数料一覧は、以下で紹介しています。
さいごに
立会外分売は、一度に大幅なリターンが望めるわけではなく、コツコツと利益を積み上げていきたい人向けのローリスクローリターン投資です。
また、買いたいと思っていた会社の株が、立会外分売をするなら、安く買えるタイミングで買うのはありです♪