株式投資では、突発的な株価の暴落が年に数回起こります。投資している人からすれば、それまでコツコツ増やしてきた資産が、暴落に巻き込まれ資産が一気に目減りしてしまうので、大きなストレスに感じます。
さらに、暴落が起こると、株式市場には悲観的な雰囲気が漂い、今後のどうなるか分からない先行き不透感から投資家の精神的なストレスは多大なものになります。
私自身も、過去に何度も暴落に巻き込まれ、振り回されてきましたが、考え方を変えることで少しづつ暴落に対処できるようになってきたので、今回はその対応を紹介します。
株価暴落時の投資家の行動パターン
株式投資を行っていると、年に1~2回ほど大暴落に巻き込まれることがあります。ここ数年の暴落で代表的なものでは、中国経済の先行き不安から起こった「チャイナショック」やイギリスの「EU離脱問題」などがありました。
様々な要因で株価は暴落するのですが、暴落時の投資家の行動を分析すると、規模は違えど投資家の行動パターンは見事に同じです。
- 突発的な理由で暴落が起こり、株式市場に悲観的な声が増える
- 投資家の多くは、恐怖から保有株を売って現金化する行動に出る
- 大多数の銘柄が業績の良し悪しに関係なくひどく売り叩かれることで、通常ではあり得ないような安値がつくこともある
- ひと通り売りが終わり、パニックが収まると(日数や下げ幅は暴落の規模による)我先にと今度は、安値を見直す買いが大量に入り大幅に株価が上昇
- 売ってしまった人達も、慌てて買い戻す

私自身、不安から解放されたくて保有株を投げ売りした経験が何度もあります…
暴落時にやってはいけないこと
株価が暴落しているときの行動としておすすめできないのは、周りの空気に飲み込まれ、楽になりたい気持ちから暴落時に狼狽売りすることです。
大多数の人が投げ売りする中で静観したり、買い増したりすることは非常に勇気と精神力がいる行動です。しかし、暴落時に株を投げ売りして、株が反発してから買い直していると、『安値で売って高値で買い直す』ことになってしまい、資産形成がむずしくなってしまいます。

一度売ると、買い戻すタイミングがつかみにくく、株価のリバウンドを取れなくなるおそれがある
暴落への有効な対処法
私自身、暴落のたびに株を売っていた時期は、全く資産を増やせずにいました。
そこで、過去の失敗や成功している投資家の行動を観察して、株価暴落時の対策として以下のことを実行するようになりました。
1.パニックが落ち着くまで静観する
全体相場の暴落時には、業績が良い銘柄も関係なく売られてしまいます。
しかし、基本的に暴落は一時的なものであり、静観していればパニックが落ち着く過程で株価も戻ってきます。
2.保有株の保有理由を見直す
暴落時には、株価が下がることばかりに目がいきがちになり売りたくなります。しかし、もう一度買った理由を見直すことで、こんなところで売ってはもったいないと思え冷静さを取り戻せるはずです。
また、市場の雰囲気に流されやすい人は、投資している企業に対する分析や理解が不十分なのかもしれません。きちんと分析をおこない、「 企業の本質的な価値が変わっていない株を、誰かに安く売る必要はない」と考えられれば、安易な売りを防げるのではないでしょうか。
3.暴落を利用して安値で優良株を買い増す
株価暴落時は、業績など関係なしに大きく売られてます。そのため、買いたかった会社の株を安値で買い増すことのできるバーゲンセールとも言えます。
特に、優待株や高配当株など暴落時に買いたい銘柄を事前にリストアップしておくと、スムーズに買いむかえます♪→銘柄監視におすすめ!松井証券「株価ボード」の特徴や使い方とは
4.優良大型株へ銘柄入れ替えをする
株価暴落時では、「高PERの銘柄」や、「東証マザーズ銘柄」、「時価総額の小さい銘柄」などは、業績の良し悪しに関わらず特に大きく売られやすい傾向にあります。
そのため、小型の成長株に投資していると一時的に大きく資産が減ることがあります。

上記のような銘柄は、指数以上に売られることもザラです…。
反対に、JPX日経400に採用されている優良大型株は、株価変動率が小さく株価が安定している銘柄が多く揃っています。※JPX日経400とは…営業利益やROE、時価総額をもとに成績の良い銘柄を選別した優良企業の集まりです。
このような銘柄は、小型株よりも売られにくく、外国人投資家や機関投資家好みなので買いが入って反発しやすい傾向にあります。
そこで、一時的な資産の大幅減に耐える自信のない人は、相場が落ち着くまで、一部を守りに強い銘柄に入れ変えておくことをおすすめします。すると、急激な資産減を防ぐことができ、精神的な安心感も高まります。その結果、狼狽売りも避けられます!
キャッシュ化してもいいのですが、買い戻すタイミングがつかめなかったり、買い増す前に株価が反発して上昇してしまうおそれもあるので、基本は銘柄の入れ替えで対応しています。
5.なるべく株価をみない
とは言っても、どんどん下落していく株価を見ていると、不安からつい株を投げ売りしたくなるおそれもあります。
そこで、株価チェックは、ほどほどにすることをおすすめします。私の場合は、保有株の保有理由の見直しと、この株価で買えたらラッキーと思える価格に指値をしたあとは、スマホの電源を切って、気を紛らわすためになるべくほかの作業をおこなうようにしています。
暴落時に買い増す場合の注意点
株価の暴落を利用して安く買い増すことが出来れば、後の大きな利益に繋がります。
しかし、安易に買い増してしまうと損失を広げてしまうリスクもあるので、買い増す時には以下の点に注意しましょう。
1.複数回に分けて買い増す
暴落の内容によっては、数日から数週間、株式市場で不安定な状態が続くこともあります。
そんな中で初日にめいいっぱい買い増してしまうと、翌日以降の下げに対応できなくなってしまいます。そうなると、さらなる暴落が起こったときの「金銭的ダメージ」と「精神的ダメージ」が非常に大きくなり、冷静でいることがむずかしくなります。
そこで、暴落原因となった内容が、一時的なものなのか、もしくは長引きそうなのかを考慮しながら、複数回に分けて買い増すことがおすすめです。

心にゆとりを持つためにも、買い増す場合は暴落の規模を考えて少しづつ買おう!
信用取引の追証売りに注意
株価暴落時には、信用取引で売買していた投資家の「追証発生」「追証回避の売り」などが原因で、翌日以降さらに株価が暴落するおそれもあります。
この点からも、複数回に分けて買い増すほうが良いと考えています。
関連記事:【追証とは?】株価暴落を悪化させる「追証売り」に要注意!
2.暴落理由によっては、売却も必要
日本経済への影響が大きくないか
暴落の理由によっては、投げ売りすべき時もあります。例えば、EU離脱での暴落などは、その国にとっては大問題であっても日本に直接関係がなかったため一時的な暴落で済みました。
しかし、日本での大震災などは、日本経済に大打撃を与えることになり暴落も長引く可能性があるので、安易な買い増しのリスクは高くなります。
会社の成長にかげりはないか
保有する会社に業績の悪化や成長懸念材料が出た時も注意が必要です。
基本的に、会社の成長が株価上昇に繋がるので「会社の業績に悪影響を及ぼすこと」があったなら、株の価値が低下することになるので、場合によってはいさぎよく売る判断も必要になります。
さいごに
過去の経験からわかることは、感情的になって狼狽売りをするとそこが大底で、その後の反発を取り逃して損をしてしまうパターンが多かったということです。
反対に、暴落時に買った優良銘柄は数週間後・数か月後にはプラスとなり資産形成に貢献してくれることも多々ありました。
初心者の方は、すぐにうまく対応するのはむずかしいと思いますが、今回の記事を参考に自分なりの対策を考えてみてはいかがでしょうか。