経済ニュースや雑誌など、取り上げられ注目されるのは大型株ばかりです。しかし、私は断然「小型株への投資」をおすすめします。なぜなら、小型株投資は隠れたメリットが沢山あるのです。
大型株と小型株の違い
まず、大型株と小型株の違いを比較してみましょう。
- 大型株:時価総額(発行済み株式数×株価)の大きな銘柄
時価総額が2000億以上の会社を大型株と呼び、トヨタやイオン、ソフトバンクなど日本を代表する企業が名を連ねています。
- 小型株:時価総額(発行済み株式数×株価)の小さな銘柄
時価総額は1000億円未満で、あまり知られていないような小さな会社が多い。
大型株の中には、みんなが知っているような店舗数の多いお店や、経済ニュースでよく取り上げられるような知名度の高い大企業が多いです。一方、小型株は、まだ一部の地域にしか店舗が無かったり、知名度のあまり無い会社が多いです。
小型株投資のメリット
株式投資をする際「有名だから」「安定してそうだから」と、安易に大型株へ投資をしていませんか?
知名度の低い小型株への投資には、実はたくさんのメリットがあるのです!
機関投資家が参加しずらい
機関投資家や外国人投資家などの投資のプロは、情報量・資金量・知識を十分に持って株式市場に参加していますが、その売買の中心は大型株です。膨大な資金で小型株を売買しようとすると、出来高が少ないため自分の売買で値崩れを起こしてしまいます。そのため、出来高の多い大型株でないと売買が難しいのです。
また、会社の株を5%買付けた段階で公表しなければいけないルール(5%ルール)があり、小型株では買い集めていることがすぐにバレてしまうので機関投資家は嫌がります。⇒「「5%ルール」大量保有報告書の見方や、株価への影響を分かりやすく解説!」
このような理由から、機関投資家はたとえ有望な小型株を見つけたとしても思う様に買うことができないのです。それゆえ、小型株を売買する人の多くは私たちと同じ個人投資家となり、プロと同じ土俵に立たずに済むのです。
- 大型株:機関投資家や外国人投資家などのプロ投資家が中心に売買
- 小型株:個人投資家が中心に売買
割安で放置されている
小型株の方が、割安で放置されている可能性が高いです。その理由は、大型株は大勢の投資家の目にさらされているので、IRニュースが発表されると、瞬時に株価に反映されてしまいお買い得な株が少ないのです。
一方で、小型株は多くの人が監視している訳でもなく、TVで取り上げられることも少ないので、気づかれずに割安で放置されているお宝株が眠っている可能性があるのです。
小型株の中から、これから大きく成長する可能性のある会社が見つかる事も!
企業分析が簡単
大型株は、大企業であるが故に多角化経営をしている場合が多く、企業分析に時間が掛かかってしまいます。
ショッピングモールやスーパーを全国展開しているイオンの事業内容を例に、見てみましょう。
イオンの事業内容
- スーパーマーケット事業(総合スーパー・ディスカウントスーパー)
- ドラックファーマシー事業(薬局)
- 総合銀行事業(イオン銀行・保険・住宅ローン)
- ディベロッパー事業(イオンモール)
- サービス・専門店事業(ゲームセンター・ペットショップ・本屋)
- 国際事業(中国・ベトナム・マレーシア等)
イオンがいかに多種多様な事業展開をしているのが分かると思います。しかし、いざ分析をするとなると、1つの会社なのに6つ分の会社を分析をする必要があるのです。これでは膨大な時間と労力がかかってしまいます。
一方、小型株であれば主力事業は1つであることが多いので、企業分析はそれだけ楽でシンプルになり、無駄に労力を使うことを防げます。
大化け株になりやすい
大化け株とは、株価が何倍にも跳ね上がる会社のことを言います。「成熟した大企業」よりも「伸びしろの大きい小企業」の方が成長余力があり大化けしやすい傾向にあります。
以前「妖怪ウォッチ」というアニメが大ヒットした時の話しです。
その当時、バンダイナムコが「妖怪メダル」や「主人公の腕時計を模倣した玩具」を販売し家電量販店などでは、行列ができるほど爆発的な人気がありました。しかし、バンダイは、大企業なので「妖怪ウォッチ」がヒットしても、全体の売り上げに占める割合のインパクト(=株価への影響)は、限定的でした。
この時バンダイナムコ以上に株価が急騰して話題になったのは、玩具の卸を主な事業としている「ハピネット」という会社でした。小型株のハピネットにとっては、売上に対するインパクト(=株価への影響)が絶大であったので株価が急騰したのです。
このことから分かるように、小型株であればあるほど、大ヒットビジネスが生まれた時の株価は大化けしやすいのです。
時価総額でイメージする
会社の規模は、株価の動きに大きく影響します。
大きい会社の株よりも、小さい会社の方が大きな株価の動きをみせます。
- 時価総額23兆のトヨタ(時価総額1位)
⇒時価総額23兆のトヨタが、ここから時価総額を5倍に増やすことは常識的に考えにくいです。(23兆×5=115兆円?)
- 時価総額100億程度の小型株
⇒100億の会社なら5倍(500億円)10倍(1000億円)になることも十分にあり得ます。
時価総額を比べて分かるように、値上がり益を狙うのであれば、買付時の時価総額は500億円以下くらいまでが望ましいのではないでしょうか?
小型株のデメリット
出来高や時価総額の小さい小型株にも、デメリットはあります。
小型株のデメリット
- 株価の値動きが荒くなりやすい
- 流動性が低いため、売買しにくい
- 大型株よりリスクの高い銘柄が多い
会社選びを間違えると損失が大きくなるリスクもあります。儲けたいからといって、あまりにも値動きが荒い会社に手を出すのは避けた方が無難です。
個人投資家の強みを生かそう
小型株には、機関投資家が参加しずらかったり大化け株が多いなどの、魅力的なメリットがあります。自分にとって有利な場所で戦うのは非常に大切なことであり、そのようなメリットを無駄にして、無理に大型株に投資する必要はないのです。
会社が小さい段階から投資し、大きく育ってきたら株を機関投資家に高値で売却するイメージで、先回り投資を出来るのが個人投資家の強みだと思います。