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決算説明資料でなにがわかるの?株式投資で見るべきポイントを解説!

 

今回は、決算説明資料の読み方について紹介します。

決算説明資料では、決算書にのっている内容の補足や、決算書では書かれていない業績や重要指標の推移、ビジネスモデルや成長戦略などがわかります。

そのため、投資する上では必ずチェックしておきたい重要なIRです♪

決算説明資料とは

決算説明資料とは、企業の決算内容を投資家や金融機関などにわかりやすく説明するために、会社が独自で作成する決算の説明資料です。

決算の内容を、グラフや表を用いて説明したり、補足を加えることで、より深く理解してもらうことを目的としています。

決算説明資料は、上場企業の公式ホームページのIR情報ページから閲覧することができます。

ただし、法令で開示が義務付けられているわけではないので、すべての上場企業が公表しているわけではありません。

女の子
スミレ

投資する際は、決算資料の有無を確認しよう!

決算書とのちがい

決算書は、企業の業績や財務状況を示す重要な資料です。 しかし、決算書だけで企業を十分に理解して投資するのは難しいと感じます。

決算書は、すべての企業が同じフォーマットで作成されるため、企業がどこをアピールしたいのかが伝わりにくいからです。

一方、決算説明資料は、企業が投資家に伝えたいメッセージを盛り込むことができます

そのため、決算説明資料を読むことで、企業が自社の強みや将来の展望をどのように考えているのかを理解することができます。

 

決算説明資料でわかること

決算説明資料の中身は、企業によって違いはあるものの、大まかには「会社の紹介」、「業績の実績と今期計画」、「中期計画と成長戦略」といった内容で構成されています。

会社の紹介

会社の紹介では、主に以下のようなことがわかります。

会社の紹介
  • 概要や沿革
  • ビジネスモデルの特徴や強み
  • ミッションやビジョン
  • 市場規模や外部環境
  • 経営陣の紹介
  • 株主構成

特に注目したいのは、ビジネスモデルの特徴や強み、市場規模や外部環境、経営陣の紹介です。

ビジネスモデルの特徴や強み

ビジネスモデルは、その会社の収益構造や、競合と比べて優れているところ、独自性といった企業の特徴や強みを知ることができます。

どんな事業で稼いでいるのかを知るためにも、しっかり理解しておきたい箇所です。

市場規模や外部環境

市場規模や外部環境は、今後の売上の拡大余地を判断するのに役立ちます。

市場規模の大きさや、その市場が拡大しているのか、縮小しているのかなどの情報は、将来の売上の拡大余地を予想するのに役立ちます。

また、外部環境(企業をとりまく環境のうち、企業のコントロール外にある環境)の変化も要チェックです。たとえば、

  • 国家予算が投じられるビジネスになった
  • 新しい法律の制定でビジネスに規制がかかった
  • 脅威となる競合が現れた
  • 為替が大きく変動した
  • 原材料の仕入れ価格が高騰した

などが言及されていた場合、その企業の事業にとって大きな影響を与えている可能性があるからです。

経営陣の紹介

経営陣の紹介がのっている場合には、経営陣のプロフィールにも注目しましょう。

社長は創業者なのか?今までどんな経験をつんできた人たちなのか?同族経営か?など、この社長に自分のお金を託したいと思えるかを判断する材料になります。

※経営陣の詳しい経歴については、有価証券報告書の「役員の状況」で確認できます。

業績実績と今期計画

業績実績・今期計画では、主に以下のようなことがわかります。

業績実績・今期計画
  • 売上利益の推移
  • 販管費の内訳
  • 経営指標の推移(店舗数や顧客数、解約率など)
  • セグメント別の業績
  • 損益計算書

業績については、上記のような決算短信には書かれていない補足情報が記載されている場合が多いです。

このうち特に注目したいのは、決算書では省略されやすい販管費の内訳、重要な経営指標、セグメント別の業績です。

販管費の内訳

販管費の内訳では、広告宣伝費、人件費、研究開発費などの内訳が書かれていることが多いので、過去と比較してどの費用が増えているのかや、どんな目的で増やしているのかなどに注目しましょう。

経営指標

経営指標からは、企業が注目する指標がわかります。

ビジネスモデルによって重要となる指標(店舗数、顧客数、解約率、ARRなど)は異なります。そこで、その企業が、どんな指標が業績を伸ばす上で重要と考えているのかに注目してみましょう。

また、各指標がなぜ良いか?なぜ悪かったか?について言及しているケースもあるので要チェックです。

セグメント別の業績

セグメント別(事業別、国別など)の業績を見ることで、成長をけん引している部門や、利益率の高い部門を知ることができます。

たとえば、利益率の高い部門の売上が堅調であれば、企業全体の利益率が上がっていく可能性がありますね。

そのため、どの事業の売上が大きいのかや、利益率の高い事業はどれかなどを把握しておきましょう。

中期計画や経営戦略

決算説明資料でもっとも注目したいのが、中期計画・成長戦略です。

企業によっては、決算書にはのっていない、

  • 業績予想
  • いつまで投資期で、いつから回収期(利益貢献)なのか
  • 目標の利益率

など、将来の業績を予想するのに役立つヒントをのせているケースもあります。

中期経営計画として公表していない企業であっても、決算説明資料に数値目標を出していることもあります。

企業側の描く成長ストーリーを知ることは、将来の業績や株価を予想するのに大いに参考になります

そのため、決算説明資料に数値目標が記載されていないか、特に注意して確認しましょう。

長期計画が公表されている場合もありますが、投資判断には3~5年後の数値目標が記載されている方がより役立ちます。

ただし、明らかに達成がむずかしい目標を掲げている企業もあるので、「今まで計画を達成できた実績があるのか?」などを参考に、実現可能がを見極めたいところです。

女の子
スミレ

うのみにしすぎると危険…!

信頼できる会社か

決算説明資料は、決算書と異なり、企業側がどの情報を載せるかの取捨選択ができます。

そのため、良い情報が強調してかかれる一方、悪い情報は小さく書かれていたり、グラフの軸を調整して業績の悪化をごまかしていることがあります。

決算説明資料は企業の都合に合わせて作成されている可能性もあるため、注意が必要です。

個人的には、ネガティブな情報も隠さずに、悪化の原因を説明しているような企業のほうが信頼できます。

 

さいごに

ここまで、決算説明資料で見るべきポイントを解説してきました。

IR活動に力を入れている企業は、投資家に自社の事業をアピールすることがうまいと言えます。

そのため、決算説明資料の有無や内容の充実度はその企業に投資するかを決めるひとつの判断材料になります!

 

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