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信用評価損益率とは?株式市場の売られ過ぎ・買われ過ぎ判断に役立つ指標!

 

信用評価損益率は、「株式市場の売られ過ぎ・買われ過ぎの判断」や「過熱感をはかる」のに役立つ指標です。

そこで今回は、信用評価損益率の見方や活用方法などを解説していきます♪

信用取引評価損益率とは

まず、信用取引とは、自分の資産を担保にして証券会社からお金や株式を借りて、自己資金以上の取引をする仕組みです。

そして、今回紹介する「信用評価損益率」は、信用取引をおこなう投資家の損益率をパーセントで表したものです。

信用評価損益率を使うと、株式市場全体の売られ過ぎ・買われ過ぎの判断や過熱感(過熱・閑散)をはかることができます。

女の子
スミレ

株式市場の天井・底値をはかる指標として使える!

信用評価損益率の計算

信用評価損益率は、信用買いの評価損益の合計額を買い残の合計額で割って計算します。

  • 信用評価損益率(%)=評価損益の合計額÷買い残の合計額×100

評価損益とは、保有している株の損益のことです。(利益確定や損切りをしたものは実現損益となります。)

買い残とは、信用買いをした株のうちまだ決済されずに残っている株を指します。

この信用評価損益率の大小から、株式市場の過熱感をはかることができます。

なお、信用評価損益率を確認できるサイトは記事のさいごで紹介しています。そのため計算式だけ理解しておけば大丈夫です♪

 

信用評価損益率の見方

それでは、上記の計算式で算出された信用評価損益率の見方について説明します。

まずポイントとなるのは、信用評価損益率は基本的にマイナスとなる点です。

個人投資家には、利益が出た株はすぐに売り、損が出た株は利益が出るまで持ち続けてしまう心理があるとされています。

特に信用取引は、金利が発生することや、返済期日があること(制度信用取引なら6ヵ月)から、短期売買が基本となります。

そのため、信用取引で利益が出たらすぐに売ってしまう一方、含み損の銘柄を利益が出るまで持つ傾向にあります。

結果、保有株(評価損益)が含み損状態になりやすく、信用評価損益率も通常-5%から-20%程度のマイナス圏で推移します。

以下は、信用評価損益率の目安です。

信用評価損益率の水準
信用評価損益率 サイン
0% かなり買われ過ぎ
-5% 買われ過ぎ
-20% 売られ過ぎ
-40% かなり売られ過ぎ

このように信用評価損益率の目安は、-5%を上回ると買われ過ぎで-20%を下回ると売られ過ぎの水準となります。

信用評価損益の買われ過ぎ

信用評価損益率がほとんどの時期でマイナスあることから、信用取引をおこなう投資家の多くは、常に含み損を抱えているということになります。

そんな中で株価が上がり、含み損が解消されれば(信用評価損益率が0%に近づく)、個人投資家の多くが利益確定の売りをおこないます。売りが増えることから、株価の天井圏をはかる目安として使えます。

ただし、信用評価損益率の買われ過ぎサインは先行しやすい指標と言われています。

そのため、信用評価損益率が0に近づいたから天井と判断するのではなく、ほかの指標などもあわせて総合的に判断する必要があります。

信用評価損益率の売られ過ぎ

一方で信用評価損益率の売られ過ぎサインは、比較的信頼性が高いと言われています。

過去の実績でみても、信用評価損益率が-20%を下回るとおおよそ底値圏となっているので、暴落時などの底値圏の判断として役立ちます。

底値圏となりやすい理由は、信用評価損益率が-20%を下回ると「追証」が発生する水準となり、損切りのピークとなりやすいからです。

追証(おいしょう)とは、信用取引の担保にしていた株式や信用取引で保有しているポジションに評価損が出たことで維持率が低下し、追加で担保の差入れが必要な状況を言います。

追証を回避するためには、株を売ってポジションを解消したり、お金を入金したりして維持率を回復させる必要があります。それでも解消できない場合は、強制決済となり保有株は強制的に売却されます。

追証回避の損切りがピークをむかえ、信用買いの投げ売りが一段落した後は、売り圧力が減ります。さらに、割安になった株を買おうと新たな信用買いをする人が増加することで、株価も反発しやすくなります

ただし、信用評価損益率が-20%を割ったからといってかならず反転するわけではありません。

実際、リーマンショック時には信用評価損益率が-40%程度まで下がっています。また、近年でもコロナショック時には、信用評価損益率が-30%程度まで下がっています。(マザーズ市場にいたっては、最大で-48%まで下がりました。)

とはいえ、信用評価損益率が-20%を割れると、割安な優良銘柄が増えるのは事実です。特に板の薄い小型株では、信用取引の投げ売りで異常な安値を付けることもあり、買いタイミングとして狙い目です!

女の子
スミレ

信用評価損益率は、底値圏のほうが信頼性が高い!

 

さいごに

ここまで、信用評価損益率の見方について紹介してきました。株式市場の過熱感をはかるひとつの指標として、ぜひ役立ててみてください。

特に、株価の暴落時に底値でパニック売りをしてしまう人は、信用評価損益率のような指標を知っておくと、底値圏のめどがたてられます。

また、普段信用取引を使わない人でも、信用評価損益率から信用取引の投げ売りピークを想定できれば、買いタイミングをはかるのに役立つのではないでしょうか♪

信用評価損益率の調べ方

さいごに信用評価損益率が確認できるサイトを紹介します。

まず、信用評価損益率の確認におすすめなのが、信用評価損益率 信用残 日経平均比較チャートです。前週分から最大過去4年間の信用評価損益率が振り返れます。

もっと詳しく信用評価損益率を分析するのにおすすめなのが、松井証券から提供されている投資指標です。松井証券に口座開設をすると以下の情報が無料で見られるようになります。

  • 直近120営業日の日経平均と評価損益率のExcelグラフ
  • 2013年から現在までの日経平均と評価損益率のExcelグラフ
  • 当日の信用評価損益率
  • マザーズ銘柄の信用評価損益率(信用取引口座開設が必要)

ほかの証券会社やサイトでは前週の信用評価損益率が公表されるので、情報にタイムラグが出てしまいます。

しかし、松井証券は、松井証券で信用取引をおこなう投資家の信用評価損益率を毎日公表しているので最新情報が手に入ります!

また、信用取引を開設することで、マザーズ銘柄の信用評価損益率がチェックできるようになります。

これにより、マザーズ市場に限定した信用評価損損益率が把握できます。注目している投資家も多い指標なので、中小型株に投資している個人投資家は要チェックです♪