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「指値注文」と「成行注文」はどう使い分ければ良いの?

 

「指値注文」と「成行注文」はどう使い分ければ良いの?

株を売買する時の注文の仕方は色々ありますが、多くの人が「指値注文」か「成行注文」のどちらかを使って取引しているのではないでしょうか。

そこで、今回は「指値注文」と「成行注文」の違いから使い分け方まで、まとめて紹介しますので是非参考にしてみて下さい。

「指値注文」と「成行注文」の違い

「指値注文」と「成行注文」の違いは、注文時に価格を指定するのか、指定しないのかの違いです。

指値注文とは

まず「指値注文」とは、取引の価格を重視したい時に使う注文方法です。

自分が取引したい価格を指定して、その価格で取引したい人が現れると取引が成立します。

指値注文

株板では上記の図のように、左側に「売りたい人」、右側に「買いたい人」の指値注文が並んでいます。

例えば、「960円で100株買いたい」という注文を出すと、株板に注文が現れます。そして「960円で売りたい」という人が現れるまで待つ事になります。

⇨価格を指定することができるが、売買の成立に時間がかかる

指値注文の場合は、必ず取引が成立する訳ではないので、売買のチャンスを逃してしまう恐れもありますので注意しましょう。 

成行注文とは

次に「成行注文」とは、取引の成立を重視したい時に使う注文方法です。

売買が成立しない恐れのある「指値注文」とは違い、成行注文では買い値や売り値を指定せず注文を出す事で、すぐに取引を成立させることができます

「すぐに買いたい」「すぐに売りたい」という場合に、おすすめの方法です。

※ストップ安やストップ高で、「買い注文」と「売り注文」に大きく差が出ている場合は成立までに日数がかかる場合があります。

成行注文

例えば、上記の会社の株を100株買うとします。

成行で買い注文を出した場合は、その時の株板に出ている買い指値注文のうち、一番価格の安いものにヒットし、即座に買い注文が成立します。

しかし、すぐに取引が成立する反面、自分の注文よりも一瞬でも早く他の人の注文が入ると思わぬ高値や安値で取引されてしまう恐れもあります。

成行注文のデメリット

例えば、株板に「1000円で100株」の売り注文が出ているのを確認して、「成行で100株買い注文」を入れたとします。 

注文は早い者勝ちなので、自分の注文よりも一瞬でも早く他の人の「成行で100株」の買い注文が入ってしまっていた場合、あなたの取引が成立する価格は1050円になってしまうのです。

「50円の差なら良いか」と思うかもしれませんが、実際は50円×100株なので、5000円もの違いになります

POINT
  • 指値注文:価格を指定できるが、取引が成立しない恐れがある
  • 成行注文:取引は成立するが、思わぬ価格で取引が成立する恐れがある

⇨一長一短なので、状況に応じて使い分けるのがオススメ!

 

「指値注文」と「成行注文」を使い分けよう

「成行注文」と「指値注文」は状況に合わせて、使い分けることがおすすめです。

基本は成行注文

株を買ってから売るまでの期間が長い人(中期~長期投資)であれば基本的には成行注文で良いと思います。

上手くヒットするように指値を入れる事は難しいですし、取引が成立するかをいちいち気にする時間がもったいないからです。

デイトレードなどの短期売買ではないので、買値や売値に神経質になりすぎる必要はありません!

 

もちろん指値の方がお得に注文できる事もあるのですが、株価が上昇すればするほど、その差は誤差程度になります。(株価が1000円から2000円に上昇した場合、最初の買い値が1000円でも1010円でも大差ないですよね。)

私自身、安い価格で買いたくて指値注文をいれていたが、株価がどんどん上がっていって買えなかった、もしくは仕方なく高い値段で買うことになった経験が何度もあります。

⇨目先の価格を重視して充分な量買えないことや、売れないことの方が勿体ない!

保有株に悪材料が出た時は?

保有株に悪いニュースが出て株を売りたい時は、指値注文ではなく「迷わず成行注文で売る」のが良いです。

株価は悪いニュースに敏感に反応しますので、のんびり指値にしている間に、あっという間に暴落してしまいますので売ると決断をしたならば、潔く成行を使うのがおすすめです。

板が薄い場合は指値注文 

指値注文があまり入っておらず、板がスカスカな状態を板が薄いといいます。

小型株や人気のない会社の株は、指値注文の価格がまばらな状態になりやすいのですが、この状態で成行注文を使うのは危険です。

板が薄い 

例えば、図にあるような株板で500株分の株を買いたいと思って「成行で買い注文」をいれます。

この時、一度に成行注文を入れると、「1000円で100株」と「1050円で200株」「1100円で100株」「1150円で100株」で取引が成立する事になってします。

つまり自分の買い注文で値崩れを起こし、ずいぶん割高な値段で買うことになってしまうのです。

そこで、板が薄い場合には、一度に買うのではなく指値を入れて慎重に安値を買う方法がおすすめです。

取引を優先しリスクも抑えるには?

私は基本的にすぐに取引が成立する「成行注文」を活用しています。しかし先ほど説明したように、自分の注文よりも一瞬でも早く他の人の注文が入ると思わぬ高値や安値で取引されてしまう恐れもあります。

そこで高値で取引が成立することを防ぐために、おすすめの方法があります。

それは、成行買い注文したい場合でも「売り板の最安値」で指値注文するのです。

例えば、上の図の場合すぐ取引したい場合も成行注文を出すのではなく「1000円」で指値注文を出します。そうすれば、「1000円」ですぐに取引が成立することがほとんどですし、万が一先に買いを入れられた場合でも1000円以外では成立しません

逆に、売る場合は「買い板の最高値」で指値注文するようにし、取引を優先しつつ高値で取引が成立してしまうリスクを抑える工夫をしています。

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「指値注文」と「成行注文」を状況に応じて使い分けをする事で、少しでも有利な取引ができるようにしましょう!