小型株投資は、大きなリターンが期待できる一方で、リスクも伴います。
この記事では、実際に小型株投資を10年以上経験した私が、その魅力と注意すべき点について、わかりやすく解説します。
小型株とは
小型株とは、簡単に言うと企業規模が比較的小さい会社の株式のことです。
企業の大きさを測る指標として「時価総額」というものが使われます。時価総額は、その会社の株を全て買い占めるのに必要な金額を表し、企業の市場での評価を示すバロメーターのようなものです。
一般的に、時価総額300億円以下を小型株と呼ぶことが多いですが、明確な基準はありません。
小型株投資のメリット
まずは、私が実際に小型株に投資して感じたメリットについて紹介します!
決算書がシンプルで分析しやすい
大企業の決算書は、金額が大きかったり、複雑な勘定科目が多かったりするため、読み解くのが難しいことがあります。また、多くのグループ会社を抱えているため、分析にも時間と労力がかかります。
それに対して、小型株の決算書は比較的シンプルで理解しやすい特徴があります。
決算書の内容を把握することで、事業の将来性や経営リスクの分析も容易になります。企業をよく理解してから投資することで、自信を持って株を保有できます!
企業分析で挫折しにくい!
割安で放置されやすい
大型株は、機関投資家や海外投資家から注目を集めているため、好材料が出るとすぐに株価に反映されやすい傾向にあります。
一方、小型株は、取引量が少なく注目度が低いことから、好材料が出ても株価がなかなか動きづらく、割安な状態が続くケースが多いです。
これは、資金力のある機関投資家にとっては、取引量の少ない小型株は、自らの売買で株価が大きく変動してしまうリスクがあるため、割安に見えても敬遠されがちだからです。
大化け株になりやすい
大化け株とは、株価が数倍に跳ね上がるような企業を指します。「成熟した大企業」に比べて、「成長余力のある小企業」の方が、大化けする可能性が高いです。
そのため、大化け株を狙うなら、小型株に投資するのがおすすめです。
たとえば、時価総額が約37兆円のトヨタの株価が、今から5倍や10倍に伸びるのは現実的ではありません。
一方で、時価総額が小さな企業は、まだ知名度が低かったり、地域にしか店舗がなかったりすることが多いです。このような企業が成長して時価総額が500億円、1000億円と増えていく可能性は十分にあります。
大化け株を狙うなら「小型株」!
小型株投資のデメリット
私自身、上記のようなメリットに惹かれて長年小型株に投資してきましたが、実際に投資してみるといくつかのデメリットもありました。
事業が不安定になりやすい
大企業はブランド力や知名度、価格決定力、資金力など、事業の安定性を支える強みを持っています。それに対して、小型株は売上規模が小さかったり、これらの強みをまだ持っていない場合が多く、事業の安定感に欠けることがあります。
実際、長期的に応援したいと思って投資していても、想定より早く業績が鈍化してしまい短期間で株を売却せざるを得なかったことが何度もありました。
小型株の場合、メインの事業が一つしかないケースも多く、どうしても頭打ちしやすくなってしまいます。
どうにか売上を拡大するために、新規事業の立ち上げやM&Aをおこなっても、事業の新しい柱として成長させるのはとてもむずかしいことです。この時、資金力が乏しいため、資金調達のために増資をして株価が暴落するリスクもあります。
やはり、すでに複数の事業で成功しているような大企業と比べると、見通しどおりに業績が伸びずに会社が傾くリスクが高くなります。
営業利益が赤字になりやすい
営業利益が数千万円から数億円程度の小型株は、広告宣伝費や人件費を増やすと、すぐに営業利益が減少したり赤字に転落したりすることがあります。
たとえば、前期の営業利益が1億円の企業が、今期に5000万円の販管費を追加すると、営業利益が5000万円と50%も減少してしまいます。
このような数値が決算がでると、先行投資だとわかっていても見栄えが悪く、決算後に大きく売られることが多かったです。
小型株は、想定外の費用が発生すると利益が大きくぶれやすいので、利益の予想がしずらく決算のギャンブル性が高くなってしまう点には注意が必要です。
値動きが激しい
機関投資家の買いが期待できないため、小型株は個人投資家が中心になります。そのため、流動性が低く、株価の値動きも激しくなります。
信用取引を利用する個人投資家が多いと、空売り目的の機関投資家に狙われて株価が大きく乱高下することもあります。
小型株への投資はアリ?
ここまで、小型株のメリット・デメリットについてご紹介しました。
小型株は、うまくいけば大きな利益が得られる可能性がある一方で、業績の安定感に不安が残り、株価の値動きも激しくなりやすいので、損をするリスクもあります。
そのため、資金が少なくリスクを取ってでも大きなリターンを狙いたい人や、失敗しても取り返しがつく年齢やポートフォリオの一部としてチャレンジするのは良いと思います!
自分の許容範囲内でのチャレンジがおすすめ!