配当金投資は、毎年安定してお金を受け取れることもあって人気の投資方法のひとつです。
しかし、単に配当額が多い銘柄を選ぶだけでなく、将来、さらに多くの配当を受け取れる「増配株」を選ぶことが重要です。
そこで今回は、そんな増配株の見つけ方を5つのポイントで解説します。
増配で配当が増える株のさがし方
1.業績が安定成長している
増配株をさがす上でもっとも重要なのは、安定して成長を続けている企業かどうかを見極めることです。
配当金は、企業が稼いだ利益の一部を株主へ還元するものです。つまり、企業の利益が伸びなければ、配当を増やすこともむずかしいのです。
そこで、安定成長を続けていけそうな企業から選ぶのがポイントです。
- 毎年5%~10%程度の割合で売上や利益が安定的に伸びている企業
- 安定的な収益が見込めるストック型ビジネスモデルを展開している企業
- 業界内で高いシェアを占めていて競争優位性を持っている企業
このような企業は、安定した成長が期待でき、増配にもつながりやすい傾向にあります。
逆に、成長率が20%を超えるような急成長企業は、将来の成長のために利益を事業に再投資する必要が高いため、株主への配当に回せる余力が少ないケースが多いです。
成長率が高すぎる銘柄は、配当株としては不向き!
2.配当方針・政策を明言している
企業が株主に対してどのような還元姿勢を持っているかも、とても重要なポイントです。
配当方針が明確に示されていない企業よりも、毎年の増配を公言している企業や、配当性向を維持・改善していく方針を掲げている企業の方が、株主還元に力を入れていて、より増配を期待できるからです。
企業の配当方針・政策は、
- ホームページの投資家向け情報
- 決算説明資料
- 中期経営計画
- 有価証券報告書(提出会社の状況の配当政策)
にのっていることが多いので、投資を検討する場合にはぜひ目を通してみてください。
配当に関して明確な方針を明言しているかで、企業の株主還元への姿勢や、将来的な配当の増加が期待できる企業なのかを読み取ってみましょう!
3.現時点での配当性向が高すぎない企業である
長期的な視点で見た場合、まだ配当性向が低い企業は、将来的な大幅増配の可能性を秘めています。
たとえば、現在、利益の10%程度を配当に回している企業が、将来的にその割合を30%まで引き上げると仮定します。この場合、利益が横ばいでも、配当金は3倍に増えることになります。
(具体的に説明すると、1株あたりの利益が10円の場合、配当性向が10%であれば配当金は1円ですが、配当性向が30%になれば配当金は3円になります。)
さらに、このとき利益が2倍に増えていれば、配当金は6倍まで膨らむ計算です。
(利益が2倍に増えると1株あたりの利益が20円になります。そして、配当性向が30%であれば配当金は6円になります。)
これは、10万円だった配当金が60万円に増えるほどのインパクトです。
つまり、最初はもらえる配当金が少なくても、時間の経過とともに、配当がどんどん増えていく可能性があるということです。
さらに、現在の配当性向が低い企業は、まだ成長への投資にも力を入れている可能性が高く、増配だけでなく成長による株価上昇も期待できます。
将来の高配当株を先回りして買っておくイメージ!
一方で、すでに配当性向が50%を超えているような企業は、成長へ投資するフェーズがひと段落していることに加えて、大幅に配当の割合を増やす余地が限られているため、将来の配当増額率はそれほど大きくないかもしれません。
4.連続増配にこだわりすぎていない
配当金目的で投資先を選ぶ際に、「何年連続で増配しているか」という連続増配記録を参考にしている人も多いのではないでしょうか。
配当額を増やしたいのであれば、連続増配が確実な企業を選びたい気持ちもわかります。
しかし、業績に関係なく配当を増やし続けている企業は本当に魅力的でしょうか。
業績が悪化しているのにもかかわらず、無理に配当を増やし続けている企業は、将来的な財務健全性を損なうリスクを抱えています。
また、業績が好調なときでも、連続増配記録を守るために、本来ならもっと増やせるはずの配当を控えめにしてしまうケースも考えられます。
このような背景から、私自身は、業績と連動した配当をおこなう企業の方が健全だと考えています。
業績が良ければ配当を増やし、悪ければ減らす方針の企業は、減配のリスクはありますが、その分、企業が成長したときの恩恵を大きく受けられる可能性があります。
さらに、業績と配当がある程度連動することで、投資する企業の業績に関心を持ちながら保有し続けられるのではないでしょうか♪
5.外国人投資家が買っている
増配株を探しているなら、海外の投資家が投資している企業に注目してみましょう。
海外の投資家は、企業が稼いだ利益を株主に還元しているかどうかを重視しており、ROE(自己資本利益率)が高い企業を好む傾向にあります。
ROEを高く維持するためには、事業拡大だけでなく、増配や自社株買いといった株主還元も重要です。
つまり、海外投資家から人気を集めている企業は、ROEを高めるために、安定的な増配や自社株買いをおこなうことが期待できます。
※四季報の株主欄に「外国人保有割合:30%」といったように、外国人がその会社の株式をどれくらい持っているかが詳しく載っています。
さいごに
ここまで、増配で配当が増える株のさがし方について紹介してきました。増配株をえらぶ際には、長期的な視点で投資することで、より大きな成果が期待できます。
なお、業績や配当の分析には、マネックスの「銘柄スカウター」がおすすめです!
過去10期以上の売上高や利益率などの推移が簡単に分かるほか、配当金の推移、配当性向、連続増配年数なども確認できます♪