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「損益計算書」の見方とは?5つの利益の見方を分かりやすく解説!

「損益計算書」の見方とは?5つの利益の見方を分かりやすく解説!

「損益計算書って色々な項目があって難しい」「売上高と純利益だけ見て、儲かってるか判断してるかも」という悩みはありませんか?

損益計算書は、会社の経営成績を表す通信簿のようなものであり、正しく読む事でその会社の収益構造や方向性を把握する事ができます。

今回は、損益計算書に出てくる「5つの利益」の見方について解説していきます。

 

 

損益計算書とは

 

損益計算書とは、一定期間(通常1年間)におけるの企業活動の結果を金額で表したものを言います。

この損益計算書を活用する事で、「会社に入ってきた収益」「その収益を得るために使った費用」「最終的に残った利益」を知る事ができます。

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損益計算書は、どれくらい売れていくら儲かったかを知る事ができます! 

  

損益計算書の5つの利益

損益計算書を分析する際は、以下の5つの利益に着目しましょう。

  1. 売上総利益
  2. 営業利益
  3. 経常利益
  4. 税金等調整前当期純利益
  5. 当期純利益

例)H29.9月期 タイセイの決算短信

「損益計算書」5つの利益

数字の羅列で分かりにくいと感じる場合は、以下の様にExcelを活用して図式化すると、感覚的に収益構造が把握できるのでおすすめです。

Excelを活用して図式化

 

関連記事:損益計算書などの財務諸表を自動でグラフ化して、過去や同業他社との比較が簡単にできる無料の分析ツールの活用もおすすめです。以下の記事で紹介していますので参考にしてみて下さい。

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それでは、順番に5つの利益の見方を見ていきましょう!

 

1.売上総利益

 

「売上総利益」とは粗利と呼ばれるもので、売上高から売上原価(売った分の製造原価や仕入れ原価)を差し引いたものです。

粗利とは

※この、売上総利益がマイナスになるという事は、仕入れた値段よりも安く売っている事になり、売れば売るほど赤字になってしまうので、通常はあり得ません。

 

売上総利益は、全ての利益の源

売上総利益が低いと、最終的に残る純利益も少なくなってしまいます。その為、「売上総利益(粗利)がどの程度残るか」は重要です。この売上総利益を増やす為には、

  • 売上高を上げる:付加価値を付け客の単価を上げるなど
  • 原価を下げる:大量に仕入れる、自社で製造するなど

のどちらかが必要になります。売上総利益を増やす為に、会社がどのような方向性で経営していくのかを損益計算書の数字を元に読み取りましょう。

例えば、「売上高は横ばいだけど、原価は下がってるのはなぜ?仕入れ先が変わったの?」など、明確な理由が分からなくても、疑問を持つ事さえできればIRへ質問し、調べることが出来ます。(参考記事:IRに電話をしよう!個人投資家が企業に電話して情報収集する方法とは? 

 

2.営業利益

 

「営業利益」とは、先ほどの売上総利益から販売費(給料や広告宣伝費など)と一般管理費(家賃や経理・人事部門など)を差し引いたものです。

営業利益とは

販売費及び一般管理費は、売上が少なくても費用が減る事はない固定費」が基本です。たとえ、お店の売上げが下がっても、社員の給料やオフィスや店舗の賃料は同額を払わなけらばなりません。

販売費及び一般管理費が大きすぎて、経営を圧迫している場合は、

  • 宣伝費や広告費を抑える
  • リストラして、社員数を減らす
  • 安い賃料のオフィスへ引っ越す

などの固定費を抑えるための見直しが必要となってきます。

 

営業利益は本業の儲け

営業利益は、会社の本業で儲けた利益の総額を表します。アナリストや個人投資家は企業価値を評価する際、この営業利益がしっかり伸びているかを重要視しています。

そのため、営業利益を増やす為に固定費を抑えながら、売上げを伸ばせるように会社も努力しています。

 

3.経常利益

 

「経常利益」とは、営業利益に営業外収益を加算し、営業外費用を引いたものです。

  • 営業外収益:預金利息、株などの運用収益、社内の自動販売機の売上げなど
  • 営業外費用:支払利息、為替差損など

経常利益を見る際に重要なのが、営業外収益の中の「支払利息」です。自己資本比率が低く、銀行から多くの借金をして経営している会社は利息の支払い額が大きな負担になり利益を圧迫してしまう場合があるからです。

また、グローバル展開している会社は、円高になると為替差損が大きく出てしまう特徴があります。

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営業外費用が、利益や営業外収益に対して大きすぎないか」をチェック!

 

4.税引前当期純利益 

 

「税引前純利益」とは、経常利益に特別利益を加算し、特別損失を引いたものです。

特別利益・特別損失は、言葉のように毎年発生するものではなく、臨時的・突発的に発生する収益・費用もしくは、毎年発生しているが、今年だけ特に金額が大きかったものを指します。

  • 特別利益:不動産の売却益、前年度が赤字の場合の税金控除など
  • 特別損失:不動産の売却損、災害などでの損失

 

5.当期純利益

 

「当期純利益」とは、税引前純利益から、法人税等を引いたものを指します。

この当期純利益を発行済み株式数で割った「一株利益(EPS)」が株価形成に影響を与える重要な数値になってきます。(参考記事:PERとEPSを使った目標株価の計算方法とは?

 

一株利益の異常値に注意しよう

ここで気を付けて欲しい点がひとつあります。それは、先ほど説明した「特別利益・特別損失」がある場合は、EPSの数値を鵜呑みにしてはいけないという事です。

この特別利益・特別損失は、毎年計上されるものではありませんので、純粋な業績の伸びを知りたい場合は、これらの特殊要因を除く必要があるのです。

「特別利益」が計上されている場合:一株利益が大きく増えて株価が「超割安」になったように見えてしまいます。しかし実際には、純粋な会社の業績の伸びによるEPSの増加ではないので、来期のEPSは大きく下がる可能性があります。

「特別損失」が計上されている場合:一株益が大きく減って「超割高」になったように見えてしまいます。しかし、一過性の損失であるので、来期のEPSは大きく改善する可能性があります。

特別利益・特別損失に注意

特別利益・特別損失を見逃してしまうと、「超割安」だと勘違いして飛び乗ったり、「超割高」だと勘違いして安易に売ってしまう恐れがあるので、気を付けましょう。

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損益計算書の分析ポイント

 

百分率で数字を比較しよう!

企業分析する際のポイントは、百分率(%)で比較することです。例えば、売上高に対して、どのくらいの利益が出ているのかを知る為には、営業利益率が役立ちます。

  • 営業利益率=営業利益÷売上高×100(%)

これにより企業の収益力を知る事ができますが、それだけでは不十分あり、数値を比較する事が大切です。

  • 過年度の損益計算書の数値と比較
  • 同業他社との比較

営業利益率が同業他社と比較して高ければ、収益力の高いビジネスモデルを作れているという事ですし、そこまで高くなくとも、年々高まっていく傾向にあれば評価できます

 

POINT
  • 営業利益率は同業他社と比較して高いか?
  • 年々高まる傾向にあるか

 

売上の伸び以上に、利益の伸びが重要

売上を伸ばす事は、もちろん会社にとって重要です。

しかしながら、株価はPER(人気・期待感)EPS(一株利益)の掛け算で算出されるので、株価に影響を与える「利益」をしっかり伸ばしている会社の方が投資するのに魅力的な会社です。

売上を上げるだけなら、新店を沢山オープンさせて宣伝したり、セールで価格を安くすればいくらでも増やせます。しかし、しっかり利益を確保する仕組みがないと、いくら物が売れても「人件費」や「宣伝費」がかさんで営業するほど赤字という状況になりかねないのです。

 

営業利益率に注目しよう!

そこで、利益を確保する為のポイントとなるのが営業利益率です。

例えば、ある会社が売上100億円で営業利益率が10%だと、営業利益は10億残りますね。しかし、営業利益率が3%だと3億しか残りません。仮に売上が倍になったとしても、6億にしかならないのです。

営業利益率が低い会社であっても、年々高まっているのであれば良い会社です。仮に営業利益率2%だった会社の営業利益率が4%に伸びれば、売上はそのままでも利益はなんと2倍に増えるのです。

この事から、営業利益率が高い会社、もしくは高める施策をしている会社に投資した方が利益が大きく増えやすい、すなわち株価が上昇しやすいのです。逆に薄利多売な会社は、売上が伸びても利益が伸び悩み=株価が伸び悩むので注意が必要です。

 

POINT
  • 営業利益率が高い会社:売上が増えた時のインパクトも大きくなる
  • 営業利益率は低いが高める施策をしてる会社:営業利益率が改善すると利益も大きく伸びやすい
  • 薄利多売な会社:売上が伸びても利益が伸びずらいので注意

 

関連記事:他の財務諸表である貸借対照表とキャッシュフロー計算書の見方は、以下の記事にまとめていますので、合わせて参考にしてみて下さい!

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